初音ミクにみるボーカロイドの人気と歴史
「初音ミク」が人気ありますね。
ボーカロイドというDTMです。
初音ミクはクリプトン・フューチャー社が開発したヴォーカル楽器ですね。
音声合成ソフト的なヴォーカルソフトで、パソコン上でボーカルを演出できる優れものです。
今では「初音ミク」だけでなく、大変な数のボーカロイドがあります。ありすぎて選択に悩むくらいです^^;
◎VOCALOID – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/VOCALOID
私が音楽を作っていた頃、こうしたボーカロイドがどれくらい欲しかったことか。
「歌う」「歌ってもらう」というのが、実は敷居の高いことでした。
ですのでもしも今、自分が10代だったら、無茶苦茶、使っていると思います^^;
それくらい音楽的には便利で優れたツールだったりします。
で、初音ミクに代表されるヴォーカロイドをみていますと、ヴォーカル処理の歴史こそが、ボーカロイドの人気と歴史と関係があることがわかってきます。
今日は、そんなボーカロイドをめぐる人気と歴史のお話しです。
トーキング・モジュレーター~ロボットボイスの元祖(70年代)
そもそも昔は初音ミクのようなボーカロイドは無かったですね。
ですが70年代に「トーキング・モジュレーター」というのが登場します。ロボットボイスの元祖のようなものです。
トーキング・モジュレーターとは、人間の口蓋を利用した疑似楽器です。
人間の声帯の代わりに、大音量が流れるホースを口の中に入れて鳴らすことで、楽器がしゃべっているかのような演奏ができる装置です。
ジェフベックがよく使っていました。
トーキングボックス
口の中でものすごい音が鳴り響くわけです。
トーキング・モジュレーターを使うと酔ったようにクラクラとしてしまいます。
使いすぎると、脳がやられておかしくなってしまうといいます^^;パンチドランカーのような副作用がある危険な楽器だったりします。
ちょっと危ない楽器なんですね。
ヴォコーダー~ロボットボイスの元祖(80年代)
で、70年代の終わりから80年代の初頭にかけて、ヴォコーダーが流行します。
ヴォコーダーは今でもあります。
ヴォコーダーとはこういうものです。
Roland Vocoder Plus VP-330
※48秒頃からヴォコーダーが始まります
シンセサイザーなどの電子楽器の音源に、人間の声を合成して、まるでロボットや機械がしゃべっているかのような音を出す楽器です。
ロボットボイスです。
YMOの「トキオ」とか、クラフトワークで頻繁に使われていたものですね。
ボーカロイドに近いですね。
80年代はヴォコーダーが使われることがありました。
しかし昔は、こうしたトーキング・モジュレーターとかヴォコーダーくらいしかありませんでした。
80年代までは「ヴォーカルは人間が歌うもの」という常識だった
ところで80年代くらいまでは、ヴォーカルは「人間が実際に歌うもの」が主流でした。
ヴォコーダーのようなロボットボイスを愛好するのはマニアくらいです^^;
しかし、ヴォコーダーのロボットボイスは、
1.従来の人間的ボーカル音に飽きてきた(食傷気味)
2.クセが無いフラットなメカニカルボイスは、むしろ嫌味が無く好ましい
といった特徴もあって、実は私は好きでした。
人間の声は、歌い手によってクセが出てきます。
声自体で好みも分かれるくらいです。
ロボットボイスはサウンド的にも新鮮です。
楽器として聴けます。
なので面白かったんですね。
昔はヴォーカルといえば、リバーブをかけたり、エキサイター、ハーモナイザー、コンプレッサーといったエフェクターをかけて処理する程度でした。
オートチューン(Auto-Tune)処理のヴォーカルが登場(90年代)
それが90年代の終わり頃から、ボーカルのエフェクト処理技術が進化します。
ボーカルの音程を一定に保つハーモナイザーがより進化したものです。
浜崎あゆみはよく使っていました。
今では「Perfume」が有名です。
ヒューマン・ナチュラル・ロボットボイスといってもよいやり方で、実は「オートチューン(Auto-Tune)」というエフェクターを使用したものです。
オートチューン(Auto-Tune)はエフェクターというよりもDTMツールになりますね。
原音のボーカルを残しつつも、これにロボットボイスを加える手法です。
元の声を活かしつつ、エフェクト加工したフラットなボーカルを加えます。
この手法は、「音痴を修正できてしまう」というメリットがあります^^;
オートチューン(Auto-Tune)は「Perfume」が使用しています。
TC-HELICON VoiceLive Play」というヴォーカルエフェクター
今では、「TC-HELICON VoiceLive Play」というエフェクターもあります。
これ一台でヴォーカルに多彩なエフェクト処理が可能です。
もちろんPerfumeのようなロボットボイスにすることもできます。
ボーカルのエフェクト処理は進化を続け、ますます「ロボット化」していっています。
ボーカロイドは現時点での最終形態
で、その最終形が「初音ミク」などのボーカロイドです。
ボーカロイドは「初音ミク」以外にもありますね。「カイト」とか「巡音ルカ」とか、今ではたくさんのヴォーカロイドがあります。
しかも、ボーカロイドは安い。
わずか1万5千円で購入できる敷居の低さです。
この初音ミクは、今や一つの音楽ジャンルも形成しています。
いずれこうなるとは思っていましたが予想よりも早かった感じです。初音ミクでヒットした曲は何曲かあります。
初音ミクのヒット曲
【神曲25選】ボカロおすすめ人気ランキング!名曲と歌詞を厳選紹介
https://utaten.com/karaoke/popularity/vocaloid-song
「千本桜」は有名ですね。
で、ボーカロイドは現時点におけるヴォーカルの最終形態です。
ボーカロイドの次はリアリティを体験させるバイノーラル・ミュージック的な世界
映画、ドラマ、アニメは、視聴者の脳内で美しさを増幅しています。ファンはますます虜(とりこ)になっていきます。
マンガやアニメは、こうした脳内変換の最たるものです。
マンガやアニメのキャラは実在しない身体のパーツです。異常に大きな目や頭の大きさはあり得ません。
ですが、脳内で変換してデフォルメすると、ああいう感じが一番ピッタリするのでしょう。
自分の脳内でかわいらしさや美しさを増幅しますが、そのイメージがピッタリすると大人気となってブレイクするのでしょう。
妄想や想像のツボがピタっとハマるということでしょうか。
ですので、アニメやマンガには、オタクといわれる熱心なファンを生み出しやすいのだとも思います。
こうした脳内妄想や想像を、さらにパワーアップしたものの一つがヘミシンクといわれるバイノーラル・ミュージックですね。
バイノーラル・ミュージックは変性意識にしますので、ヴァーチャル空間にリアリティを出して聴く者を錯覚させます。
初音ミクのような3Dアニメ?の次はヘミシンク的なものになると予測しています。
変性意識にして脳内でリアリティを体験する楽しみ方です。
映画の「トータルリコール」のような世界ですね^^;
3Dアイドル市場は大きくなる
3Dアイドルの初音ミクの市場はますます大きくなっていくと思います。
マンガ、アニメに続くのが3Dキャラクターの世界です。
初音ミクはアイドル性もあって、アニメやマンガの要素もあります。コアなファンを必ず生み出します。
もっと完成度が上がってから、こうした現象が出てくるんじゃないのかな~なんて思っていましたが早かった感じです。
自作曲にボーカルを簡単に乗せることができる時代
それにしても自作の曲に、簡単にボーカルを乗せることができるのは、クリエイターとしては喜びなんですね。私もどれほどそうしたかったことか^^;
デモレベルのモチーフはたくさんありますので、初音ミクのようなボーカロイドで歌わせたいなあなんて思ったりもします。
今はそういう時間が取れないのがネックですね。
他にもやりかけていることがあり手が回っていない状態です。音楽クリエイトにまでに手が回らないですね。
経済的に自由になることができれば、音楽クリエイトも再開したいですね。
他にももっとたくさんやりたいことがあります。
私がやりたいことはビジネスになりにくいことが多く、ボランティアのような形が多くなります。
できるだけ早い段階で形にしていきたいとも思いますね。
そんなことを思ったりもします^^;