目次 非表示
- YMO「東風(Tong Poo)」のライブ版は素晴らしい
- 東風はジャン=リュック・ゴダールの映画「東風」がルーツ
- Greek Theater無修正版の「東風」はグルーヴ感がすごい
- ポリムーグは東風を印象づけている
- Greek Theater版東風には演奏ミスが3カ所ある
- 3カ所の演奏ミスの修正の仕方によって5種類の音源がある?
- 「公的抑圧」の音源
- 「LIVE AT GREAK THEATER 1979」の音源
- 非公式な音源
- やはり修正無しのGreek Theater版がいい
- 東風は細野さんのグルーヴ感のあるベースは神レベル
- ライブ版YMOではYMOをクリックを聞きながら演奏していた
- YMOは演奏技術も高いバンド
YMO「東風(Tong Poo)」のライブ版は素晴らしい
YMOの作品の中でも「Tong Poo(東風)」 は、もしかすると一番のお気に入りかもしれません。
スタジオ録音したアルバムのTong Poo(東風)もいいのですが、やはりライブ演奏がいいんですね。ライブ特有の緊張感とスリリング感があるからです。
そんなライブ版の東風の中でも「Greek Theater」のライブ演奏がいいんですね。
しかも演奏ミスを全く修正していないバージョンがいいんです。無修正版。
が、確か、CD化も、DVDも化もされていません^^;非公式?に出回っていますね。
東風はジャン=リュック・ゴダールの映画「東風」がルーツ
YMOの「東風」は「ジャン=リュック・ゴダール」監督の映画「東風」から拝借した曲名なことは有名な話しです。
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映画「東風」は1969年の作品です。フランス・西ドイツ・イタリアによる合同作品であるとか。
監督のジャン=リュック・ゴダールは、マルクス・レーニンや毛沢東といった共産主義の思想やグローバル・ユダヤ思想に傾倒している人です。映画「東風」は、そういった思想が映画にも表れています。
しかし、こうしたノリは、この当時の風潮でもあり、ファッションみたいなものでしょうね。
Greek Theater無修正版の「東風」はグルーヴ感がすごい
Greek Theaterの無修正版ライブは、聴くと、もう鳥肌もの。圧巻です。
最高の演奏パフォーマンス集団、YMOって感じです。「人力テクノ」とてでもいっていいくらい、生演奏の醍醐味があります。
細野さんのベースが神レベル。
「どんだけ、これだけのグルーヴ感だせるよ」のレベル。
ユキヒロ氏のドラムも素晴らしい。
ドラム・アンドロイドかと思うほど、正確無比なドラミング。半端ないですね。
ものすごいノリが出ていて、生き生きしています。
すごいグルーヴ感です。
いや、ホント圧巻。
あと、坂本さんのポリムーグが奏でる音も気持ちいい。フェイジンズした音がいいんですね。ポリムーグあってこその1979年東風(Tong Poo)かとも。
ポリムーグは東風を印象づけている
東風(Tong Poo)はポリムーグに支えられていると言っても過言ではありません。
ちなみにポリムーグは、ハモンドオルガンと同じ原理で発振しています。
東風でもメロが奏でられているストリングスの音は、ノコギリ波なのですが、実はノコギリ波っぽくしている疑似ノコギリ波です。コンデンサーの減衰作用によって、矩形波をノコギリ波モドキにしていたはずです。
この技術は、当時の国産キーボード、ローランドRS-09、VP330でも使われていたはずです、確か。
Greek Theater版のTong Pooでは、坂本さんが弾きまくるポリムーグの音が、これまた印象的です。いいですなあ。
Greek Theater版東風には演奏ミスが3カ所ある
ですが、Greek Theater版東風、
目立つ演奏ミスもあったりしますね^^;
3カ所あります。
1つ目は、坂本さんが、冒頭のシンセのフレーズをミスった箇所ですね。通称「ピポペ」。アープでの演奏をミスっています。
2つ目は、間奏部分で細野さんが、致命的なベースのミスを犯しています。ベースの回数を間違えてしまっているんですね。カウントミスです。
3つ目は、間奏における細野さんのベースをカウントミスしたことで、これに釣られて坂本さんがイントロをミスってしまったもの。
この3つの演奏ミスがあります。
3カ所の演奏ミスの修正の仕方によって5種類の音源がある?
で、これら3つの修正の仕方の違いで、各種の音源も出回っています。
ざっと挙げますと、
- 演奏ミスを全部修正したもの。アルバム「公的抑圧」収録の「完全修正版」。
- 「1」の冒頭における坂本さんの「ピポペ」だけを修正したもの。「ライブ・アット・グリークシアター 1979」。
- 「2」の細野さんの間奏ベースのカウントミスだけを修正したもの。非公式版。
- 「3」の間奏最後の坂本さんのキーボードミスだけを修正したもの。非公式版。
- 3カ所の演奏ミスをまったく修正していないもの。非公式版。
となっています。
グリークシアター版の東風には、
・公式版・・・2種類
・非公式版・・・3種類
があります。
商品化された音源以外にも、非公式?なものとして出回っている謎の音源もあります。
「公的抑圧」の音源
で、3カ所の演奏ミスを全て修正しているのが「公的抑圧」のCD版。1980年にリリースされたものです。
公的抑圧の音源では、演奏ミスの全部を修正しています。全部。
坂本さんが冒頭でミスる「ピポペ」も、間奏を抜けてイントロに入る箇所も、細野さんの間奏のベースカウントミスも、全部、修正してあります。
しかも、細野さんの間奏部分のベースは、驚くことにシンセベースに差し替えています。
丸ごとシンセベースに差し替えて修正しているんですね。
「LIVE AT GREAK THEATER 1979」の音源
あと奇妙な修正の仕方をしているのが「ライブ・アット・グリークシアター 1979」の音源。
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「LIVE AT GREAK THEATER 1979」の音源は謎めく修正の仕方をしています。
2カウント目のメロを1カント目のメロと同じにする修正
というのも、この音源では、東風のメロの2カウント目の演奏を切り貼りして、1カウント目の演奏と差し替えているんですね。
冒頭で坂本さんがアープで「ピポペ」と弾き間違えてしまうのですが、ここを修正するために、2カウント目のメロディを丸ごとコピペしています。
グリーク・シアターにおける本当の演奏では、1カウント目のメロディ音がストリングスです。ポリムーグでブイブイと奏でるシンセ・ストリングスなわけですね。
ところが「LIVE AT GREAK THEATER 1979」の音源では、ブラス音になっています。そのブラス音のメロは、本当は2カウント目から奏でられているわけです。
が、2カウント目に聞こえてくるブラス音をカット&コピペして、1カウント目の演奏に差し替えているんですね。
細野さんの間奏ベースは生ベースミスのまま
しかし間奏の修正はされていません。間奏における細野さんのベースは、生ベースのまま。シンセベースに差し替えられていません。
しかもカウントミスまでバッチリ^^;これに続いて坂本さんがイントロでミスるのもバッチリ。
「ライブ・アット・グリークシアター 1979」は、謎めくライブ音源だったりします。冒頭の「ピポペ」を修正するために、2カウント目の演奏を丸ごとコピペ。
ミスった「ピポペ」だけをカットすると、変に感じたのかもしれませんね。
しかし、これはこれで貴重な音源です。
非公式な音源
あと非公式な音源も出回っています。
YouTubeにですけどね^^;
細野さんが間奏のカウントをミスった所だけを修正しています。間奏から抜けるイントロで坂本さんが演奏ミスをした所だけを修正した音源。
非公式?なんだと思いますが、そういう謎めく音源もあります。
やはり修正無しのGreek Theater版がいい
修正された版では、音の具合が無修正版と比較して違ってもいます。
やはり修正無しのGreek Theater版がいいですね。
グルーヴ感が半端ではありません。
演奏ミスを差し引いても、このノリがいい。
で、細野さんの間奏でのベース、このミスさえなければ完璧ですね。すんごいグルーブ感が出ています。
東風は細野さんのグルーヴ感のあるベースは神レベル
ライブ版東風では、細野さんのこのグルーブ感のあるベースが神の領域なんですね。
いや、本当に。
こんな演奏できる人、そんなにいないでしょう。ただ正確に演奏すればいいのではいんですね。
音の長さとか、間の取り方とか、そういう感覚的な部分がグルーブ感の有る無しとなってきます。
演奏の巧い人はたくさんいます。ですが、細野さんのように絶妙な間の取り方が巧い人は僅少です。
ライブ版YMOではYMOをクリックを聞きながら演奏していた
ちなみに、当時は、こういうクリック音を聞きながらライブ演奏をしていたといいます。
YMOクリック
こちらにもあります。
◎YMOクリック – ニコニコ動画
https://www.nicovideo.jp/watch/sm8258024
うーん、味わい深い^^;
通称「YMOクリック」。
「キッコッコ♪、カッコッコッコ♪」と、無機質に流れるシンセのVCFを使ったシンセ・メトロノーム。
動画ではヘッドフォンをしています。
右だか左のヘッドフォンには、このクリック音(メトロノーム)が、ひたすら流れていたといいます。
「キッコッコ♪、カッコッコッコ♪」と。
実は、このクリック音を聞きながら、あとは目視とカンで、お互いの演奏のタイミングを合わせたりしながらノリを出していたようです。
すんごい状態で、最高のパフォーマンスを演奏しようとしていたと。ですので演奏ミスも起きやすかったのでしょう。
ヘッドフォンを通してメトロノームのクリック音と聞きながらライブ感のノリを出していたとは、YMOはまさに超絶技巧のパフォーマ集団でしょう。
YMOは演奏技術も高いバンド
YMOの魅力は、このレベルの高い演奏力にもありますね。単に日本のテクノポップスの元祖とかではありませんね。
ライブ演奏が素晴らしい。
1979年のYMOのライブは格好いい。
ポリムーグの音もキマっています。
ホント、かっこいい。
ノリもいいですね。
今聴いても、まったく色あせません。
いいですね。