シン仮面ライダーのネタバレ&感想
さて3/18の金曜日から上映が始まった「シン・仮面ライダー」。庵野秀明さんによるリメイク作品です。シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンに続く昭和ヒーローものですね。
実は、3/18の公開当日、早速レイトショーで見てきましてね。
「シン・仮面ライダー」追告
記事にするのが遅くなりましたが、感想を一言でいえば、いやあ、メチャおもしろかった^^
リアルで仮面ライダーを見ていた昭和生まれの私としては、「よくここまで盛り込んで今風&2時間でまとめた」と感心しまくり。庵野秀明さん、すごい!
面白さが半減してしまいますので、中身についてはノーコメント?ネタバレは書きません?と思いましたが、既にネタバレもネットやYouTubeで出回っていますので、まあいいかなと^^;
シン・仮面ライダーはストーリー展開が早い速い
で、まず最初に感想を言いますと、「シン・仮面ライダー」は2回見ないと「わかりにくい」映画ですね。たぶん1回見ただけでは「よくわからない」となるんじゃないかと。
その理由は、ストーリー展開は早い。物理的なスピードも速いんですね。しかもてんこ盛りな内容になっています。映画のスタート初っぱなから早い展開です。
<期間限定公開>『シン・仮面ライダー』冒頭映像(2分49秒)
最初に見たときとは、物語に付いていくことで精一杯でした。しかも集中して見ていないと、大事なセリフなどを聞き逃してしまいます。
それくらいストーリー展開がスピーディー。
なので、ワタクシは公開当日の3/18に見行った翌日、再び見に行きましてね^^いや、これもう一回見ないとわからんヨという心境になりましてね^^;
いえ、決して仮面ライダーのファンじゃないんですが、子どもの頃、再放送も含めて何度も見ていましたので、思い入れがありましてね。で、そんな仮面ライダーが50年振りにリニューアルして登場しますと、やっぱり胸躍るものがあります^^ゞ
しかし、1回見ただけではよくわからん。なのでもう一回見に行くことに。
が、これって2回見させて、興業収入を倍マンにするのが狙いなのかと。そんなことを勘ぐってしまいます。
で、さすがに2回見ると、ストーリーもわかっていますね。しかも細部まで見ることができます。
変身の仕組みは「プラーナ」
あと「シン・仮面ライダー」は設定がおもしろいですね。現実味のある設定です。まず「変身の仕組み」。
まずオリジナルの仮面ライダー「変身メカニズム」は、原子力と人工筋肉によるものであるといいます。
しかし「シン・仮面ライダー」は違うんですね。なんと「プラーナ」。プラーナ(気)です^^;
で、プラーナという設定は現実味があるんですよね。
そもそもライダーのベルトは、マニュピューラチャクラになりますしね^^
お腹(マニュピューラチャクラ)は、実はチャクラの要です。ヨーガでは、アパーナ気(下方)とプラーナ気(上方)が混在し、気が発火するポイントがお腹(マニュピューラチャクラ)としています。重要な部位なんですね。
で、ここに仮面ライダーにとって命ともいえる「ベルト」があるんですね。おそらくヨーガのことは知らないで、たまたま設定したんだと思いますが、よくできています。
で、本郷猛は改造されて、目が赤くなります。目が赤くなるって、クンダリーニ症候群でも出てくる現象なんですよね^^;
つまり、ショッカーによる改造とは、昆虫などの生物の遺伝子なりを取り込んで、人間のプラーナを人工的に活性化させるというもの。しかし、人工的であるが故に、クンダリーニ症候群を引き起こしながらの不安定なメンタリティになるため、戦闘本能を増幅もしてしまうと。
厳密にいえば、仮面ライダーは、不完全であり失敗のある改造人間^^;
そのように解釈できるんですね。
ま、ここまで深読みしている人は少ないかもしれませんが、変身のメカニズムが「プラーナ」となると、実のところ仮面ライダーは、クンダリーニ症候群に陥ったポンコツということができます。
ショッカーは国際金融資本家
あとショッカ-。
オリジナルのショッカーは「国際共産主義(コミンテルン)」。
庵野版のショッカーは、国際金融資本を彷彿とさせるグローバリズムですね。
庵野版ライダーのショッカーは「Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling」の略であるとか。
ある人はこれを「AIを埋め込んだ改造人間と共に歩む、持続可能な幸福を目指す組織」と訳していた。
ふむふむ。
ま、かなり苦労してショッカー(SHCKER)に文字を当てはめたことはバレバレなんですが^^;、AI、改造人間、幸福というのは、ショッカーが目指す世界観になっています。
そもそも人工頭脳AIの「I」が世界をコントロールするくらいの知能を持っていて、その「I」がプロトタイプとして作成した人間型ロボットが「J」。「J」は人間世界とアクセスするデバイスでもあったが、後にリニューアルした「K」に、その立場を譲ることに。で、不要になった「J」は、ロボットにも関わらず自殺すると。
そんな人工頭脳AIの「I」が導いた人類の幸福とは、「ハピネス」という異次元空間に、人間の魂をプラーナ化して転送してしまうこと。そのためにショッカーを創設。改造人間という超人の手によって、人類をハピネス空間にプラーナ化して転送する。
で、それをサポートするために大規模な洗脳や人口削減を仕掛けると。
そんなのがショッカー(SHCKER)。「Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling」
オリジナル・仮面ライダーへのオマージュが素晴らしい
それにしても、変身の仕組みやショッカーの設定はリアリティもあってニヤニヤしてしまいます^^またオリジナルを踏まえながらも新しいシナリオに。この構成力がすげー^^オリジナルへの深いオマージュを感じさせます。
既にYouTubeでも出回っていますが、クモオーグとの戦いは、オリジナルの仮面ライダー第1話「怪奇蜘蛛男」を押さえてあります。
仮面ライダー 第01話[公式]
仮面ライダーの登場シーンでは、崖の上に立ち、しかも下に生い茂る木々もほとんどそのまま。おそらくCGで再現したんだと思います。
またクモオーグとの戦うシーンは、オリジナルライダーの蜘蛛男と戦った「奥多摩湖の小河内ダム」といいます。撮影場所もまったく同じ。アングルもほぼ同じ、戦闘シーンの展開もほぼ同じ。徹底してコピーしています^^;
よほどのマニアかファンでなければ、普通は説明を聞かなければまったく気がつきません。私もたまたまYouTubeで知った口です。
で、ここまで徹底してさりげなくオマージュ感を出して作ったことを知ると、庵野さんごいすーってなるわけですね^^;マジすごいっすよ(拍手)。
そのほか、オリジネルへのオマージュが一杯。昭和ライダーのオマージュ感が半端ないですね。
ほかには、昭和ライダーでは、本郷猛役の藤岡弘さんが、撮影中に左脚を骨折する大けがをするんですが、「シン・仮面ライダー」ではこのエピソードを上手く取り入れています。なかなかニクイ演出。
昔、仮面ライダーを見ていた自分としては、ニヤニヤしっぱなしでしたね^^
庵野秀明さんはパロディ・オマージュは得意?
ところで脚本・監督の庵野秀明さんはエヴァンゲリオンで有名ですね。
学生時代には自費制作で「ダイコンフィルム」というパロディアニメを作ったり特撮をしていたとか。庵野さんはパロディが得意なのかもしれませんね。なので仮面ライダーを、ここまで見事にリメイクできたのではないかと。
ちなみにもっと現実味を感じさせる設定になっています。ヨーガが好きな方には「ムフフ」となりそうな設定。
映画入場者特典付き
ちなみに劇場の入り口でカードがいただけます。昭和のカルビースナックを思い起こさせるアイテム。いやあニクイ小技も効いています。
シン仮面ライダーへの批判
ちなみにネットで検索すると、「シン・仮面ライダー」は賛否両論のようです。私としては批判する余地はほとんど無いかなあと思いますが、この手のリメイク作品は、叩かれる・こきおろされるのが定番ですからね。それと昭和ライダーのことを知らないと、「なんだこれ?」になるかもしれません。
もっとも「濃い」ですね。それとシリアス。しかも孤独感が強い。笑顔・笑いはまったくといっていいほどなし。笑顔のシーンが出てくると違和感を憶えるくらいの重たい設定。
あと出演者が少ない。町の住民がショッカーに襲われるといったシーンもなし。誰も知らないアンダーグラウンドな世界で「独り戦う」かのような昭和ヒーローの設定。あと一部の描写がグロいですね。
それと孤独感。「ヒーローは孤独だ」を演出しようとしたのか、とにもかくにも出演者が少ない。町の住民がショッカーに襲われるといったシーンはなし。誰も知らないアンダーグラウンドな世界で「独り戦う」かのような昭和ヒーローの設定。あと一部の描写がグロいですね^^;
1回目はあんまり気にならなかったのですが、2回目になると、このシリアス過ぎる設定や孤独感がシンドくなってきます。見るのがツラくなってくるかのような。
まとめ
昭和世代のみならず、平成世代も楽しめる、令和版仮面ライダーとしての「シン・仮面ライダー」。メチャおもしろいですね。映画を見て思ったことのポイントをあげると、
- 変身の仕組みがプラーナというのはおもしろい
- ライダーキックはすげー。まさに殺人技ですな
- ショッカーはAI
- 国際金融資本を彷彿とさせる
- ウィルスを使って人口削減を目論む(リアリティありまくり)
- 本郷猛はコミュ障という設定はちょっと微妙
- クモオーグとの戦いは多くのシーンでオリジネルをコピーしたのは感動
- 「バッタくん」という言い方は妙に記憶に残る
- サソリオーグとしての長澤まさみの扱いが微妙
- ロボット刑事Kも何故か登場
- 左足骨折のシーンはニクイオマージュ
- 立花、滝の登場にはもニヤリ
- 昔のBGMが随所に使われてニンマリ
- 随所にオリジナルのオマージュがあふれる
ざっとこんなところでしょうか。
二作目につながる伏線もありまくりの「シン・仮面ライダー」。ラストはショッキングだったんですが、次回作もあるかもしれませんね。昭和世代の私としては、次回作にも期待してしまいます。
また見に行こうと思います。