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ラヴェルという音楽家
モーリス・ラヴェル。
言わずと知れた近代音楽・印象派のドビュッシーと並ぶ巨匠ですね。ラヴェルの楽曲はどれも美しいです。しかも「カチ」っと幾何学的に構成されています。
ドビュッシーはアドリブ的で、感じるままを音符を並べていくところがあります。
しかしラヴェルは、様式の中に音を組み込んでいくところがあります。
ドビュッシーはアバウトでいい加減で、その場的。
ラヴェルは、潔癖症で完全主義。
と言っていいかもしれません^^;
実際、二人の性格は、極端までに相反するものでした。そして生き方も、二人とも極端でした。
ラヴェルのダフニスとクロエ
そんな印象派を代表する二人ですが、ラヴェルの曲はアレンジが面白いんですね。面白いといいますか、現代の映画音楽などの先行者的な作りをしています。
そうしたラヴェルの作品の中でも「ダフニスとクロエ」は、ラヴェルを代表する曲の一つです。詳しことはこちらに譲るとして、いろんなアレンンジがあって面白いものです。
そして楽器の進化も分かります。
結論からいいますと楽器は、
ピアノ⇒オーケストラ⇒シンセサイザー⇒エレクトーン⇒DTM(パソコン)
といった具合に進化しています。
ピアノ版
まずはピアノでの演奏。
二台のピアノによる演奏ですね。
素朴ながら良い味を出しています。
ちなみにピアノ版の「ダフニスとクロエ」は、後から作られたものです。
最初にオーケストラ版が完成。後になってからピアノ譜を、ラヴェルは発表します。
オーケストラ版/小澤征爾
そしてオーケストラによる演奏。
まあ、一般的に聞くものですね。
M.ラヴェル/ ダフニスとクロエ 小澤征爾
この管弦楽による演奏は、実は難しいといいます。イントロの「ゆら〜〜っ」としたストリングスに対して、管楽器がヒョロヒョロ〜と入ります。このタイミングが難しい。
難易度の高い楽曲で、演奏がバラバラになってしまうこともままあります。
そんな演奏に失敗した「ダフニスとクロエ」の歴戦を、今ではYoutubeでも見ることができます。
いい時代になったものです。この曲がいかに難しいかがわかります。
それにしても美しい旋律ですね。
本当、「夜明け」といった感じです。
印象派と言われるのもうなずけます。
シンセサイザー版/冨田勲
このダフニスとクロエ、日本人の冨田勲さんが、1970年代にシンセサイザーで「世界初」の演奏しています。壮大なシンセサイザーでの演奏を世界初、行いました。
ラベルらしい色彩感のある演奏を、トミタさんは、シンセサイザーで奏でます。
今聴いても素晴らしいですね。
冨田勲さんのダフニスとクロエは、1979年、今から30年以上前の作品です。
各方面で評価が高かったですね。
そして現在も、影響を及ぼしています。
実際、冨田さんのダフニスとクロエとソックリな演奏は、今ではエレクトーン一台で出来てしまっています。
エレクトーン版
演奏は、ヤマハのステージアという最新のエレクトーンです。
お聞きの通り、この演奏はトミタサウンドに似ています。トミタサウンドをエレクトーンで再現している感じに聞こえます。
今ではエレクトーン一台で、豪華なオーケストラも演奏できます。
このエレクトーンの「ダフニスとクロエ」は冨田勲さんの影響もありそうです。
ヤマハステージアでダフニスとクロエを演奏
ちなみにヤマハのステージアを使った「一人オーケストラ」はたくさんあります。
同じ「ダフニスとクロエ」より、最後の「全員の踊り」はなかなか迫力があります。
M.ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」より 全員の踊り
※洗足学園音楽大学より
いやあ素晴らしいですね。
もう参ります^^;
ステージア一台で壮大なオーケストラを再現してしまうわけですから。しかもリアルタイムで一人の演奏。
DTM(パソコン演奏)
最近では、DTMが普及していますので、パソコン一台で「ダフニスとクロエ」を演奏する方も多くなっています。
DTMとはPC一台の演奏です。
昔は大勢のオーケストラで演奏していた楽曲も、今ではPC一台でもできる時代です。
すごいですね。
楽器は進化し続けている
といった塩梅で、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」を素材に、楽器の進化をみてみました。
ピアノ⇒オーケストラ⇒シンセサイザー⇒エレクトーン⇒DTM(パソコン)
こうした流れです。
しかしながら各楽器には味わいがありますので「進化」というのも少し変なんですけどね^^;
けれども「楽器の進化」はありますね。
近年に至っては楽器の進化は加速度的になっていて電子楽器にその進展が多かったりします。
一体どこまで楽器は進化していくのか。
興味津々です。