ドビュッシー「水の反映」~映像第1集
春めく季節になると、ぼんやりとした感も出てくるようになります。
そんな春めく季節にピッタリなのがドビュッシー「水の反映」。
「水の反映」は、ドビュッシーの映像第1集の曲です。
1904年の作品。
今から約120年前の作品です。
色あせませんね。
素晴らしい。
「水の反映」は、ドビュッシーの特徴がよく出ている曲だと思います。
Simon Trpceski – Debussy: Reflets dans l’eau
※引用元:Warner Classics
「水の反映」は水と光の波動を音で表現した名曲
このゆらゆらと揺れる音の流れ。
春のおぼろげな気感にピッタリ。
水面はユラユラとし、光がそこに反射し、キラキラとうつろぐ。
時より強い風が吹いて、水面が強くたなびく姿。
そんな水面のさざ波と、光の乱反射を茫洋として見つつ。
時々刻々と移り変わる水面と光の様。
さざ波のように動く水と光。
この様は、瞬間、瞬間に、物事は生じては滅し続けていて、それはまるで、波動のように、さざ波のように、プルプルと震え振動し変化(へんげ)しているのですが、ドビュッシーの曲は、この森羅万象の奥にあるエネルギーの変化の様を音でつかみ取っているかのように聞こえます。
「水の反映」。
うーん、アートですなあ。
粋(いき)ですなあ。
たまりませんなあ。
そんな音の並びやら和声やら、ガムラン的な民族音楽な響きを出している「水の反映」が、ドツボなわけですが、桜の花に象徴される淡い日本色に包まれた新しい命が一斉に胎動し始め、世界は瞬く間に、ゆらゆらとしながらも揺れ動き出すかのようです。
この季節、ドビュッシーのゆらゆらと揺れる音の響きは、森羅万象の動きと重なり、心地よかったりします。
ドビュッシーは気・エネルギーを感じていた
で、「水の反映」もそうですが、ドビュッシーは、存在が発する気・エネルギーを感じていたんじゃないかと思います。
そうとかし思えない。
気やエネルギーを感じ取り、それを音で表現していたように思います。
この「水の反映」もそうですが、ユラユラとした音の流れになっていたりして、この流れは、まさに気の動きのように感じられます。
なので、演奏する際には、気やエネルギーを感じ取りながら表現するのが、本当のポイントではなかろうかと思いますね。
Simon Trpceski(シモン・トルプチェスキ)の水の反映がいい
「水の反映」は演奏者によってかなり印象が違ってきます。
なかなかイメージ通りにピッタリとくる演奏が少ないのですね。
固い演奏や、音をはっきりさせて演奏する方もいます。
「水の反映」は、明瞭な音、粒立ちがはっきりした導入の仕方は、ちょっとイメージが違うかな、といった感じですね。
その点、Simon Trpceski(シモン・トルプチェスキ)が演奏するこの曲は、静かな音で始まって、曖昧で、どこかボーっとしたような演奏であり、これがよかったりします。
ちなみにSimon Trpceski(シモン・トルプチェスキ)。
マケドニア出身といいます。
マケドニア?
さて?
昔、世界史で習ったアレキサンダー大王しか思い出せませんが、旧ユーゴスラビアのようですね。
なるほど!ガッテン。
紛争になっていた地域ですね。
が、紛争のほとんどは、国際金融資本やCIAが絡んでいますので、旧ユーゴもそうなのかなあと推測。
で、そんあ紛争地域で生まれ育ったのが、Simon Trpceski(シモン・トルプチェスキ)ですね。
しっかし、ピアノがうまいですね。
柔にして剛なダイナミックな演奏です。
エネルギーの様をちゃんと感じ取っているような。
ドビュッシーの「水の反映」を見事に弾いています。
シビれますなあ。
Simon Trpceski(シモン・トルプチェスキ)氏のピアノはいいですね。
繊細かつダイナミックです。
一番イメージにあいます。
ドビュッシーは天才
ドビュッシーは、光や空気の流れといった微妙な動きを音で表現するのが上手いですね。
天才でしょう。