スピリチュアル業界に激震~消費者契約法の改正が2023年6月1日から施行

消費者契約法の改正が2023年6月1日から施行

そうえうば2019年消費者契約法が改正されているんですね。で、施行が2023年6月1日

改正された「消費者契約法」のうち重要な点をピックアップしてみます。

結論を先に言いますと、「新興宗教」「悪質なスピリチュアル」潰しの改正です。

宗教・スピリチュアルで「不安を煽ること」は全てダメ

まず「不安を煽ること」は全てダメになっています。

⇒不安をあおる告知 (第4条第3項第3号)

引用元の文書は、固めの文章ですが、改正されたのを見ると、もはや「新興宗教」や「悪質なスピリチュアル」はとどめの一撃となる法改正ですね。

悪質なものは、今後バシバシ取り締まられるようになります。

2023年6月1日から、スピリチュアル業界は厳しくなりそうです。

悪質な霊感商法やスピリチュアルビジネス対策のための法整備

改正された消費者契約法をざっとまとめますと、

  • 今のままでは「将来悪いことが起きる」「不幸になる」ことを強調して言う場合
  • 相手の不安を利用して商品やサービスを売る場合
  • 販売側が過大な不安を作って煽って売りつける場合
  • 口頭、書面など、消費者が認識する手段で告げられた場合

ということができそうです。
若干、微妙といいますかグレーなところもありますが、要するに悪質な霊感商法やスピリチュアルビジネス対策のための法整備ということですね。

とはいっても真面目に真っ当に行っていれば問題は無いと思います。

ただし消費者の申し出によって、法律適用になってしまうんじゃないかという懸念がありますね。なので微妙・グレーなところがあるんじゃないかと。

消費者保護が行き過ぎると、真面目にやっている人も罪に問われてしまいそうなリスクが出てきます。良心的な能力者、占い師もいらっしゃいますからね。

そのため、真面目に行っている方々が萎縮してしまうことになりはしないかという懸念があります。

「不安をあおり・・・告げること」とは?

で、改正消費者契約法における「不安をあおり告げること」は具体的にどういうことかといえば、こちらにあります。

⇒「不安をあおり・・・告げること」とは

ここは重要な箇所のようです。引用します。

13 – 問11「不安をあおり・・・告げること」という文言は何を指すのですか。

1.「不安をあおり・・・告げること」とは

1.「不安をあおり・・・告げること」とは、
消費者に将来生じ得る不利益を強調して告げる場合等をいいます。

不安をあおるような内容を直接的に告げなくとも、
契約の目的となるものが
必要である旨を繰り返す
強い口調で告げる
強調する態様でも該当する

2.過大な不安を抱く人に対する言い方

2.例えば、過大な不安を抱く学生に対して、
そのことを知りながら
「このセミナーを受講すれば就職できます」
「あなたにはこのセミナーが必要です」

などと繰り返して告げる場合も、
不安をあおるものとして取消しの対象となり得ます。

宗教やスピリチュアルに限らないということですね。

3.事業者が過大な不安を作出した場合

3.なお、事業者が過大な不安を作出した場合でも
改正後の消費者契約法第4条第3項第3号が
適用されるものです。

消費者が自由な判断ができない状況に乗じて
契約を締結させたという点では、
もともと消費者が不安を抱いていた場合と、
事業者が作出した場合とで
異なるものではないためです。

4.告げる方法

4. 告げる方法については、
必ずしも口頭によることを必要としません。
書面に記載して消費者に見せるなど、
消費者が実際にそれによって
認識し得る態様の方法であれば
本要件を満たします。

霊感商法はアウト

この箇所は、ズバリ「霊感商法はアウト」として規定されています。

「私は霊能者だ。あなたは今のままでは3年後、大変な目に遭います。なので、このお札を買いなさい。祈祷しないさい」といって告げる行為。

これが霊能者、超能力のみならず占い師も該当すると思います。

もっと広く拡大解釈もできそうです。
結局、消費者を不安にさせたり、怖がらせて、商品やサービスを販売した場合、消費者の申し出によって無効にすることができるといった消費者保護の法改正ですね。

条文にもある通りで、今まで曖昧な規定だったため、今回はしっかりと記載することで、いわゆる霊感商法を取り締まるのが目的なことがわかります。

⇒霊感等による知見を用いた告知

霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力

1.霊感その他の合理的に実証することが
困難な特別な能力による知見として、
そのままでは消費者に
重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示して
消費者の不安をあおるなどの行為により、
望まぬ契約を締結させられるという
消費者被害が発生しています。

消費者被害の救済

2.このような消費者被害の救済について、
これまでは公序良俗違反による無効(民法第90条)
不法行為に基づく損害賠償請求(民法第709条)
といった一般的な規定に委ねられていましたが、
これらの規定は要件が抽象的であり
どのような場合に適用されるかが、
消費者にとって必ずしも明確ではない部分がありました。

消費者契約の特性を踏まえる

3.そこで、消費者契約の特性を踏まえた
明確な要件を定めて、霊感等による知見を用いた
告知による消費者契約の取消しを認める規定
消費者契約法に設けることとしました。

具体的な消費者契約の取り消し

4.具体的には、

  • 霊感(注1)その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、
  • そのままでは重大な不利益(注2)を与える事態が生ずる旨を示して不安をあおり
  • 契約を締結することにより確実に重大な不利益を回避できる旨告げたときに、

取り消すことができることとするものです。

(注1)
「霊感」とは、除霊、災いの除去や
運勢の改善など、超自然的な現象を
実現する能力を指します。
「その他の合理的に実証することが
困難な特別な能力」としては、
いわゆる超能力が当たります。

(注2)
当該消費者の死亡や病気のみならず、
家族の死亡や病気も含まれます。
また、不幸になる等、漠然としたもの
であっても含まれます。

まとめ

以上が、2023年6月1日から施行された消費者契約法の改正です。

しかし真面目にやっている方や、本当に力のある霊能者やヒーラーまでもが適用されてしまう恐れもありましょうか。

真面目に行っている人や本当に力のある霊能者やヒーラーは実際にいます。

悪意はなくても、ちょっとした言い間違い、伝え方ミス、コミュニケーションがマズかったなどによる齟齬によって、訴えられてしまうケースも出てきそうですね。

消費者保護が強化されてしまうあまりに、正真正銘の能力者が肩身の狭いを思いをするようになったり、誤解が及ぶようになるのは、さすがに気の毒です。

消費者保護の判断を、司法がどこまできちんとできるのか。若干の懸念もありますが、真面目に行っている能力者の肩身が狭くならないことを願います。

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