プライマリーバランス黒字化とは?何が問題なのか?【せやろがい✕藤井聡✕世良公則】2

プライマリーバランス黒字化とは?

プライマリーバランス黒字化とは何でしょうか?また何が問題なのでしょうか?

このことについて解説しているのが、せやろがいさんと、藤井聡さんと、世良公則さんの対談動画です。わかりやすい。

「遅くてショボい」日本の新型コロナ経済対策!その理由は?せやろがい✕藤井聡✕世良公則

プライマリーバランス黒字化とは、一言でいえば、税収の中で予算を立てましょうということ。税収を超えたお金を使わずに、赤字にならないようにしましょうということ。

もう少し詳しく説明すると、プライマリーバランス黒字化とは「基礎的財政収支」のこと。政府の赤字と黒字のバランスのこと。

税収・税外収入と、国債費(国債の元本返済や利子の支払い費用)を除く歳出との収支。

その時点で必要とされる政策的経費を、その時点の税収等でどれだけまかなえているかを示す指標。

しかし実際には、政策的経費は税収でまかなう必要はない。

プライマリーバランス黒字化は、まったく意味のない指標。

プライマリーバランス黒字化は何が問題なのか?

で、プライマリーバランス黒字化は、何故、問題なのかといえば、誤った会計に基づいているから。

プライマリーバランス黒字化は家計簿的な発想。

しかし日本政府は法人のような存在。家計簿的な発想で収支を云々するのは間違っている。

そもそも政策的経費は税収でまかなう必要はない。この時点でプライマリーバランス黒字化は誤り。

4月のコロナ経済対策もショボかったのも、プライマリーバランス黒字化があるから。

国民が困っているときであっても、お金を出し渋るのは、ズバリ「プライマリーバランス黒字化」が原因。「財務省設置法」が原因。

動画のポイントを、以下にまとめてみます。

プライマリーバランス黒字化があるからコロナ対策予算を出し渋る

コロナで大変な時期に国は新規国債を25兆円しか出さない。GDP5%。

アメリカではGDP10%に相当する200兆円の新規国債を発行してアメリカ国民の救済に動いた。

一方、日本は、国民救済のために政府はお金を出さない。

「自己責任だ」のと言って、まるで国に甘えることは悪いかのような風潮もある。おかしい。

何故、こんなにもコロナ対策のお金を出し渋るのか。その直接的な理由は財務省が反対するから。

財務省が出し渋っている。「プライマリーバランス黒字化」に従っているから。

財務省としては「プライマリーバランス黒字化」に従うのみ。
・出す分を減らす。
・入る分を大きくしたい。

財務省の官僚は、プライマリーバランス黒字化に従う「官僚マシーン」になっている。だから国が有事となっているときでも、国民救済のためのお金の捻出に渋る。

プライマリーバランス黒字化とは収入と支出を黒字化すること

では財務省がお金を出し渋る「プライマリーバランス黒字化」とは何か?改めてわかりやすく解説。

プライマリーバランス黒字化とは、政府の支出と収入の差額をいう。これを「基礎的財政収支」という。

たとえば税金50兆円しかなければ、50兆円以上使ってはいけない。これがプライマリーバランス黒字化。

つまり税金があたっら、税金以上は使わない。収入と支出を黒字化する。これがプライマリーバランス黒字化。

プライマリーバランス黒字化は正しい?

で、この説明を聞いた国民は「その通り」と納得してしまう。

「税収以上使うと、財政破綻する」。「そりゃそうだ」と納得してしまう。で、財務省、緊縮財政の学者の言う通りとなってしまう。

政府は借金を増やして、国民のために頑張ってきた。

国民のために借金を増やし、赤字財政にしてきた。

が、このままでは財政破綻する。

だからプライマリーバランス黒字化しましょう。税金以上の支出は控えましょう。こういう論法。

が、これが間違い。

ちなみにプライマリーバランス黒字化は、小学校の副読本にもなっている。池上彰もテレビでバンバン言っている。

国民の多くはプライマリーバランス黒字化を信じている。正しいと信じている。

しかしこれは真っ赤なウソ。プライマリーバランス黒字化は誤り。

プライマリーバランス黒字化はいつから始まったのか?

プライマリーバランス黒字化は、2001年の小泉内閣時代に、経済財政政策担当大臣だった竹中平蔵氏が初めて提言しています。竹中氏は、

1.「財政規律」を「プライマリーバランス黒字化」に変更した

2.日本の供給能力を「最大概念の潜在GDP」から「平均概念の潜在GDP」に変更。

ということをしています。

ちなみに「平均概念の潜在GDP」に変更した結果、潜在GDPの数値が下がり、日本にはデフレギャップがない(表れない)ことになってしまいました。

これらによって、日本の経済は「財政出動すれば経済成長できる」というものから「どれだけ財政出動しても経済成長できない」というモデルに変わっています。

これは「IMFの発展途上国型モデル」です。

プライマリーバランス黒字化が維持されるのは何故?

このようにプライマリーバランス黒字化目標小泉政権時代に始まります。

しかし2009年にリーマンショック麻生政権ではプライマリーバランス黒字化を外します。

このとき財務省は激怒

財務省はマスコミを使って麻生太郎元首相の個人攻撃を始めます。漢字が読めない、カップ麺の金額を知らないなどのバッシング。

このマスコミのバッシングによって、自民党の支持率が低下。民主党への政権交代となります。2009年~2011年。

このようにプライマリーバランス黒字化を外すと、政権すら交代になります。

財務省からの攻撃を避けるため、プライマリーバランス黒字化を死守することになったといいます。エグい話しです。

プライマリーバランス黒字化はどこが間違いか?

プライマリーバランス黒字化はどこが間違いなのか?

端的にいえば、プライマリーバランス黒字化は家計簿の発想。「今月の収入は幾らなので、これ以上使ってはならん」という発想。

しかし政府は法人に似ている。家計とは違う。

政府はNPO法人みたいなもの。だから家計簿的な発想をするのは間違い。

つまりプライマリーバランス黒字化は間違い。合わない。適切ではない。

法人(会社)と家計は違う

で、法人(会社)と家計は違う。
家計は出入りだけで考える。

お父ちゃんが50万円稼いできたら
50万円以上使っちゃマズい。

しかし会社は違う。

年商2億あっても、その年に使うお金は4億、5億ある。
年収以上に使う。
足りないお金は銀行から借りる。
投資を行う。

銀行からお金を借りて投資を行う

ラーメン屋もそう。
200万円の資金がある。
600万円が必要。
なら400万円を銀行から借りる。

で、店を開く。
5年で返済。
利益の一部を返済に充てる。

で、ラーメン屋の家計を守る。
これは日産、トヨタ、ソニーもどこでも行っている。

銀行はお金を貸すのが仕事。
ウシジマ君のようなもの。
上品なウシジマ君。

お金を借りて、投資をして、ビジネスを作る。
儲ける。

そうして返す。
これが資本主義。

お金を借りなければ会社は大きくならない

銀行がなければトヨタは町工場のまま。
銀行からお金を借りることで、経済が拡大する。
お金を借りて、返すことで、経済は大きくなる。

これは家計ではわからない。
家計ではビジネスをしないから。

しかし法人は、お金を借りて投資をすることで、
どんどん稼ぐことをする。

政府も投資を行って大きくなる

政府は、家計よりも法人に近い。
お金を借りて、国を発展させている。

町を作る、道路を作る、国土計画を行う。
街を大きくする。
港を作る。
貿易を行う。

明治時代、大正時代、戦後も行ってきた。
政府はお金を借りることで、国を豊かにしていた。
そういうビジネスをしていた。
という言い方ができる。

これを今一番行っているのが中国。
中国は、政府を借りて、投資をして、経済を大きくしていった。国が大きくなっていった。

その前はアメリカ。
その前はイギリス。
世界の覇者。
政府が国債を発行して、投資をして、経済を回す。

これが資本主義。
資本を投下して拡大して豊かにする。

プライマリーバランス黒字化を守ると成長できなくなる

資本主義の社会でお金を借りないのは自殺行為。
貧しくなる。
発展途上になる。

だからプライマリーバランス黒字化を守っている日本は成長できなくなる。

日本以外で、プライマリーバランス黒字化を導入している国は無い。日本だけが導入している。

だから他の国は成長している。それはプライマリーバランス黒字化というズレた目標を持っていないから。政府が国債を発行して、国を大きくしているから。

しかし日本は違う。
プライマリーバランス黒字化を守っている。
家計簿的な発想で、法人の経理を考えている。
完璧に間違った会計をしているうようなもの。

間違った財政政策をしているので、
日本は先進国の中で成長率が最下位。
貧乏国。

日本は、過去のインフラに頼っているだけの貧しい国になった。間違った会計的見解のプライマリーバランス黒字化を守っているからこうなる。

で、プライマリーバランス黒字化を目標にしているのは、実は財務省設置法に原因があった。これが正真正銘の問題であった。

つづく
⇒日本を困窮させ破滅に導く財務省設置法とは何か?

 

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