門前町の歴史を雑誌「参道&門前町さんぽ」で知る
今日たまたま見かけた本がありましてね。
「参道&門前町さんぽ」
という町の情報誌です。
一種のファッション誌です。
まあ町中を紹介するような。
しかし「門前町」が特集になっていました。
で、これに興味がわきましてね。
で、読んでいきますと、
この本が実によくできています。
「簡にして要を得る」とは、
まさにこのことをいうのでしょう。
とても見やすく、分かりやすい。
浅草寺、成田山、川崎大師など、
関東一円の有名なお寺と門前町の紹介。
ふむふむ、とうなずきながら
よみふけっていました。
門前町が形成されていくプロセス
関東の門前町の様子た歴史を知るにつれて、
「日本の門前町は素晴らしい」
と思うように。
門前町とは、寺社を中心とした「宗教都市」です。
宗教都市といえば、なにやら怪しいイメージを持たれるのが現代です。
しかし宗教都市といっても、カルト的であったり、宗教活動に熱心という意味ではありません。
そもそもお寺や神社が造られ、そこに参詣する人が多くなるにしたがって、やがて出店ができるようになります。
参拝者を客と見込んで、お店が出てくるわけですね。
こうした素朴な形態は、元旦等の「出店」です。
お寺の周辺の市場が定着しお店が生まれる
元旦や秋祭りの出店は一時的です。
しかしこれが定常化していくと、「お店をずっと構える」ということになります。
実際、日本の経済史でも、最初は「月市」「廿日市」といった具合に、1ケ月のうちに定期的に数回、出店が出たりしていました。
これが次第に定常化し、「いっそうのこと店を構えてしまえ」ということで、店舗兼住宅のお店が造られます。
これが多くなって「門前町」の完成ですね。
日本の経済は、門前町を中心にして発達してきた歴史もあります。
門前町の中心はお寺・神社
門前町の中心は「お寺・神社」。
信仰が経済の要にあったわけですね。
信仰といっても素朴なものです。
「神さま、仏さま、ああ、ありがたや」
「お天道さま、ありがとう」
「みんな互いに助け合って、ええことじゃ」
こんな素朴な信仰であり、倫理であり、共生の考えです。こうしたことが素朴だといってあなどれません。
むしろ、素朴であるからこそ、心にも深く入り込み、これが血となり肉ともなってきます。
日本の門前町を知ると、日本人が信仰を中心にして生活そのものを発達させてきたことも分かります。
日本人のようにきめ細やかで、物事の深いところまで考慮する優れた考え方が、これからの主流になっていくと、確信もしています。
門前町のタウン雑誌を読んで、こんなことを思いました。