幕末の霊能者・島田幸安~江戸幕末に登場した和歌山県の町医者

幕末の霊能者・島田幸安

島田幸安。
ほとんど知られていない、幕末に登場した霊能者です。以前、こちらでくわしく書いたこともあります。

島田幸安の幽界真説(幽界物語)【その1】~日本人は死後、神さまになる 島田幸安の幽界物語(神界物語)【その2】~神さま(天人)となった先祖は仏教の供養を嫌う 日本人の生まれ変わりは神(天人)が多い~日本人はインドの輪廻転生とは違う

数年前に「幕末の霊界情報」といったセミナーを開いたことがあります。この時に「島田幸安(しまだこうあん)」という「あの世訪問者」を紹介しましてね。

島田幸安は和歌山県の町医者

島田幸安は和歌山県の人です。
天保6年(1835年)生まれ。
今から約200年前の人です。

親孝行で、心やさしく、兄弟の面倒見もよい真面目な子どもだったようなのですが、17才になってから「あの世」への訪問が始まったといいます。しかも肉体のまま「あの世」へ行ったといいます。

島田幸安は不思議な能力を発揮した

で、「あの世」へ行くようになってから不思議な能力が身につき、人々の悩み相談を行う町医者になったそうです。で、それは、

  • 人の過去世や未来のことを言い当てる
  • 人生を善くするためのアドバイス
  • 前世からの吉凶禍福があるので善事を行い悪事を避けるアドバイス
  • 祈祷による病気平癒
  • 独自に生み出した霊医術による薬の調合

など。で、多くの人を救ったといいます。島田幸安は、輪廻転生を踏まえ善行に励むことを強調した人だったようです。どこか原始仏教にも通じます。

島田幸安が著した「幽界真説」

そんな島田幸安は「神界物語(幽界物語)」を著します。で、その一部をダイジェストしたものに「幽界真説」というのがあります。一部抜粋しますと、次の通りです。

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そもそも多くの人の魂(普通の人の魂)は、高天原の宇宙創造神の分け御霊なので、臨終を迎えれば、その人の魂は、まず土地の神さまに導かれ、お迎えがやってまいります。

そうして美しい天界の音楽が流れる中、出雲大社へと案内されて、あの世を司っている神さまにお会いします。で、美味しい食事やお酒をいただいて、神通力を持つ神さまとなります。

で、自分の思うところに行けるようになり、楽しみの多い生活をして、生前の家の子孫たちの繁栄を見守る「守護神」となります。

神さま(天人)になった後、再び人間となって生まれる神もいる。神社でお仕事をする神もいる。霊山に住む神もいる。元の家族のところに来る神もいる。

とても楽しく快適。で、向こうの世界からは、こっちの世界はよくわかり、元の家に姿を現して、お供(そな)え物も受ける。

人間の魂は、その穢(けが)れた身体を離れれば、清らかな身体になって、穢れたことをまったく忌み嫌う。なので神棚の御神酒や肴(さかな)などの供物も、ちゃんとしたものをお供えすべき。

今では(この頃は江戸時代の末期)、親・先祖のために、神棚や仏壇をお祀りする人は稀。大抵はお坊さんに頼んで仏事をしている。

仏教による先祖供養や法要は、神さま(天人)となった先祖にしてみれば、はなはだしく穢れていて忌まわしいもの。仏教の供養は受けたがらない。これは誠に道理にかなったこと。

もし両親が悪趣(ガキなど)の穢れた境涯に生まれ変わったとしても、貴い神々の元でお祀りして供養することこそ、子孫にとって厚い孝行になる。

家の主(あるじ)は、その家の神主だ。ちゃんと行って怠ってはならない神事。

人間の霊魂は、善悪の行為によって転生先の境涯が決まる。いずれも前世の行いによって、様々な境涯の生命に生まれ変わる。
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日本人は幸せな輪廻転生することを指摘した島田幸安

神界物語(幽界物語)は大変興味深い資料なのですが「幽界真説」も大変興味深いものだったりします。「友清歓真全集(第4巻)」にありますが、私的に深く納得したのは、

  • 日本人の多くは死後、神さま(天人)になる
  • 亡くなった人は穢れた先祖供養や法要を嫌がる
  • 神さまを祀った清らかな祈り(供養)がおすすめ

ということです。

あっと驚く内容なのですが、私的には納得。ずっと前から感じていましたが、仏典にある恐ろしい業報や輪廻転生の話しは、マインドの強いインド人に該当するものであって、日本人にはあまり該当しないんじゃないかと。

そもそもインド人は、カースト制が根深くあり、差別意識が徹底しています。ちょっと考えられない独特の意識構造を持っているなあ、と。

このことは、ずーっと前から思っていたことなのですが、島田幸安の「あの世」情報を知って、よりいっそう確信になっています。

日本人の多くは善趣や天界へ往生する

日本人の多くは、善趣や天界へ往生する。そういう生まれ変わりが多いんじゃないかと。

感じていることと島田幸安が述べていることは、ほぼほぼ一致しますので、今では原始仏典などにある業報や輪廻転生は、ほとんどがインド人に該当するものと思っています。

日本人は、しあわせな生まれ変わりが多いんじゃないかと思います。

神に生まれ変わる日本人~ハッピー輪廻をする日本人 神さまとなっている先祖はたくさんいる~困ったときは先祖に話しかけてみる

で、そんな「あの世」の世界も含めた「六道」という生命の世界をテーマにした講座を、以前行ったものです。

今年から再び講座を行う予定ですが、島田幸安の話しも改めてしてみようかと思っています。

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