島田幸安は江戸末期のスピリチュアルカウンセラー
今から約150年前の幕末には、異境(あの世)に関する見聞録が、一気に登場しているんですね。
まるで神界のほうで、緊急を要するかのように立て続けに「異境見聞録」を、現界に出したかのような現象です。
で、そういった異界見聞録に、島田幸安の「幽界物語(神界物語)」というのがあります。
で、なんとwikiがあるんですね。
島田幸安は和歌山県の人です。
天保六年(1835年)生まれ。
異界見聞をしたのは17才の時です(1852年)。仙道寅吉よりも8才くらい年上の年齢のときですね。
ただ、島田幸安は、寅吉と違って、親孝行で、心やさしく、兄弟の面倒見もよい真面目な子どもだったようなんですね。
しかも異界(異境)へ入るようになってから不思議な能力が身につき、スビリチュアル・カウンセリングをしていたといいます。
行っていたことは、鎮魂帰神の方法で神霊より託宣をいただいて、
- その人の過去世や未来のことを言い当てる、
- 人生を善くするためのアドバイス
- 病気平癒の祈祷、
- 独自に生み出した霊的医術による治療効果の高い薬の調合
など「悩み解決相談」を行い、多くの人を救う善事を行っています。
しかも前世からの吉凶禍福があること(つまり業報)を説いて、善事を行い悪事を避けることを述べていたあたりは原始仏教に近いところがあります。
島田幸安とは、こうした人物で、善行に励み、社会を益することに貢献した人だったようです。要するに性格がいい。
仙道寅吉は大人顔負けの強い性格をしています。三白眼だったとありますので眼光鋭かったのでしょう。文面からは勝ち気な性格も感じられます。
島田幸安は性格のやさしい親孝行な真面目な子どもだったようです。こういう子どもがウソを付くことは少ないんじゃないかと思うわけですね。
島田幸安の見聞録は信憑性が高いと思います。
島田幸安の幽界真説(神界物語)
で、この「幽界真説」は大変興味深いことを報告しています。
そもそも「幽界真説」は神界物語(幽界物語)にある内容を藤原阿伎良(ふじわら-あきら)という人がダイジェストでまとめたものといいます。
友清歓真全集(第4巻)に収録されています。
妙出になりますので正確性に欠けるところはありましょうが、おおむねの要旨・大意は合っていると思います。ここには「幽界真図」とも称して、
- 神境快楽の事
- 邪鬼界三熱の事
- 仏魔境極熱の事
- 畜生界無間衆苦の事
- 仏法地獄極楽の事
が記載されています。
で、注目なのが「生まれ変わり・輪廻転生」に関する話し。もの凄い話しです。
特に仏教を知っている人には信じがたい話しでしょう。頭をガツンと叩かれるくらいのインパクトがあります。
結論をいえば、最近のスピリチュアルで言われている「幸せな生まれ変わり」の話しです。
昔は「亡くなったら神さまになる」とかの話しを聞いたことがありますよね?
で、実はこのケースが、日本には多いということ。
幽界物語(神界物語)は、それを示す江戸時代の文献だったりします。
さあ、驚きの文献だ。
江戸時代にも、今流行のスピリチュアルと同じものがあったということ。
長文になりますが、生まれ変わり・輪廻転生に興味のある方は必見です。生まれ変わりに関する世界観がグルンと変わります。
幽界真説~日本人は死後、神さまになる
島田幸安「幽界物語(神界物語)」より「幽界真説」
※友清歓真全集(第4巻) 神道天行居/1968
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そもそも蒼生の霊魂は高天原に坐す皇産霊大神の御所為に成始めてより。諸神の御恵にて斯く人体に宿り生まるる事にて寿命終れば、又其の魂は其の人々の産土神・地主神の持ち分け掌り給ふにて、右の神達御分形ありて其の家に御来迎ましまし。
妙なる神楽を奏しつつ出雲の杵築大社へ導き給ひ冥府大神の朝廷を拝謁し、神酒神肴を賜ひ神通自在の身と成て神の境に往き通ひ思う処に留りて、無量の楽しみを為し子孫の繁栄を守る也。
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で、昔の言い回しですので、意訳しながら、またかみ砕いてご説明いたします。
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そもそも多くの人の魂(普通の人の魂)は、高天原の宇宙創造神の分け御霊なので、臨終を迎えれば、その人の魂は、まず土地の神さまに導かれ、お迎えがやってまいります。
そうして美しい天界の音楽のBGMが流れる中、出雲大社へと案内されて、あの世を司っている神さまにお会いします。で、美味しい食事やお酒をいただいて、神通力を持つ神さまとなります。
で、自分の思うところに行けるようになり、楽しみの多い生活をして、生前の家の子孫たちの繁栄を見守る「守護神」となります。
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おっと^^;
のっけからすごい話しが登場していますね。
亡くなったら「神さまになる」ってことです。
また、子孫の繁栄を見守る守護神になるってことです。
感動。
超感動。
なんかこっちの話しのほうが、腑に落ちます。
そうだよなーという気がします。
仏教の輪廻転生では、亡くなったら悪趣へ行くのが多いとか、そんな暗い話しばっかりです。てか、これは後述しますが、インド人が該当することなんですね。
島田奉安の話しは、逆。
希望にあふれています。
まさに「ハッピー輪廻」。
亡くなったら神さまになる。
子孫繁栄の家の守護神になる。
ただ「蒼生の霊魂(多くの魂、普通の人)」とありますので、「全ての人」ではないということですね。
が、ふつーに暮らしていれば大概、日本人は亡くなったら神さまになって、守護神になるってことですね。
それだけ日本人の多くは霊格が高いんですね。
日本人は死後、天界へ行って楽変化天になる?
ちなみにこの神さまはパーリ仏典でいうところの
「楽変化天(らくへんげてん)」です。
「化楽天(けらくてん)」ともいいます。
楽変化天は、神通力を持ち、望むものは自在に生み出すことができる天界でも最上位の神さまなんですね。寿命は8000才です。
島田幸安の文書に登場する神さまは、まさに「楽変化天」。天界ではナンバー2の上位の神さまです。ものすごくレベルが高い。
ちなみに、空海が死後、転生するといった天界は、「兜率天(とそつてん)」です。
「楽変化天」のほうが位が高い。
で、この文書では、亡くなると、楽変化天に生まれ変わることが、当たり前のように述べられているわけです。
これが驚かずにいられるか!ってことなんです。
百歩譲って、「楽変化天」でなくても、天界へ往生することが当たり前であるかのような記述っぷりなわけですね。
この文献からわかることは、日本人のように自然に生きている人の多くは、死後、「天界へ転生する」ということです。
仏典にある輪廻転生はインド人向けの話し
で、一方、仏教が誕生したインド。
悲しいことにインド人の多くは、天界へ転生できないわけですね。
といいますと、インド人に失礼かもしれませんが、現代においても、インド人は、スグ切れる、興奮する、ケンカするなど、感情のおもむくままにオーバーヒートなのがデフォルトだからです^^;
ご覧の通り。
モラルが著しく低く、人間もおかしくなっているんですね。2500年前のブッダの時代なら、もっと酷かったことは、想像に難くありません。
こんな(と言っちゃ悪いのですが)言動が多いインド人です。ほとんどが、死後、地獄とか、ガキとか、動物だったんじゃないんですかね。
最も古いパーリ仏典には「人身得難し」とあります。が、これはインド人に向けての言葉でしょう。
そりゃ、ごもっともだと思いますヨ^^;
こんな酷い生き方をしていれば、人間への転生も難しいでしょうし、まして天人になる確率は極めて低い。
「人間に転生するのは難しい、まして天人に転生するのはもっと難しい」。仏典の輪廻転生は本能全開のインド人向けの言葉でしょう。
てか、お釈迦さまに言われなくたって、誰だってわかりますよね。
仏典にある輪廻転生はインド人向けの話しってことです。
おそらくそうだと思います。
日本人の多くは人間か天人に転生する
けれども、日本人は人間に転生しやすいし、天人に転生する確率が高いというのが真実なんじゃないかと思います。
ただ、日本人の「すべてが」というわけではありませんね。これは言うまでもありません。比率からいえば、インドよりもずっと多いということですね。
で、あんまりあーたらこーたらと考えないで、魂の奥にある天徳を感じて生きている人なら、みんな亡くなった後は、神さまになるってことなんだと思います。
ということで嶋田幸安の幽界物語は長いですので、分割して掲載いたします。
初回は、ここまで。
次回、続きを掲載します。