テーラワーダ仏教の書籍を大々的に出版していたサンガ出版が、1/27に倒産(破産)したようです。残念ですね。
サンガ出版(samgha) 公式ホームページ
https://samgha.co.jp/
サンガ出版は、テーラワーダ仏教(東南アジアに伝わる初期仏教)を中心とした書籍を多く出版していました。
中でも「マインドフルネス」。
今では広く知られていますが、マインドフルネスを広めた先駆者こそ、サンガ出版でしたからね。サンガ出版の貢献は計り知れません。
で、マインドフルネスの貢献も大きいんですが、やっぱりテーラワーダ仏教関連の書籍を多く出版したことは大きかったですね。
私も大変、お世話になりました。
しかし、私は仏教が嫌いでしてね^^;
ええ。
仏教が嫌いなんです^^;
けれどもテーラワーダ仏教は好きなんですね。
とゆーか馴染むんです。
心惹かれます。
で、私にとって日本の仏教は、暗く、重く、冷たく、陰気で、大の苦手だったりします。
小さい頃からお寺が苦手。てか、行くのが嫌だったものです。
が、テーラワーダ仏教は、日本の仏教の印象とは正反対なんですね。明るく、軽やかで、あたたかく、広がる感じを受け、とても好感触です。
そんなあたたかなテーラワーダ仏教を知ったのも、サンガ出版の書籍でしたからね。あたたかい思い出が一杯です。
日本の仏教史に、テーラワーダ仏教も記されるようになると思いますが、そんな仏教史を支えたのがサンガ出版。が、倒産。
惜しいですね。仏教書の出版社は潰れていくケースが多いようです。サンガ出版も、その事例になってしまいました。
結局、日本においては、仏教との向き合い方が間違っているケースが多いんですね。仏教が、インテリ仏教になってしまっているんです。知識、哲学としての仏教。
この趨勢は、奈良時代に遡ります。
で、現代においても、この悪しき体質は継承されています。仏教出版社も、その影響を受けています。で、マニアックな人達の知的嗜好品に成り下がっています。
広く愛され、支持されない仏教では、所詮、衰退、没落していくのが定めですね。
サンガ出版の倒産に、日本における仏教の取り組み方の問題が垣間見えます。
この先、日本の仏教出版業界はどうなるんでしょうかね。今のままでは残念ながら衰退&凋落路線でしょう。
それにしても、これだけ優良なテーラワーダ関連の仏教書を出版してきた会社ですので、なんとか後を引き継ぐ法人らが出てくることを期待します。
しかし、なんていーますか、日本の仏教は元々国家安泰の祈念のために、仏教を学問的に研究することから始まっていますからね。官僚が仏教を取り扱い始めているんです。南都六宗なんがそうです。
で、こうした知的理解としての仏教から始まり、堅物で頭が硬直した有り様で仏教と向き合う流れが出来てしまい、仏教がアカデミックになってしまうという悪しき慣習ができあがってしまったものです。
仏教を「小難しい言い方をする」伝統ができてしまった。
が、そんな小難しい言い方をしていても、仏教の実践にはまったくといっていいほど役に立ちません。
いえいえ決して反知性的なことではないんですが、そもそも仏教は学問じゃないんですよね。
が、日本の伝統には、仏教を学問や知識としてしまう悪しき風習が残っています。「仏教=インテリの代物」というおかしな公式もあり、仏教知識を満載すれば、悟りに至れるという大勘違いも、いまだに横行しています。
サンガ出版の著作物にも、こうした傾向がみられていましたので、「大丈夫かなあ」と先を案じるところがあったものです。サンガ出版が倒産した理由に、仏教をいまだにインテリの嗜好品とする姿勢から脱却できなかったこともあると思っています。
その点、ナチュラルスピリット社はうまいですね。
わかりやすい、おもしろい、効果がありそう?といったとっつきやすい姿勢で本を出しています。
やはり支持されてこそ、ファンがいてこそ、出版事業は成り立ちますね。ナチュラルスピリット社に軍配が上がります。
日本のように「インテリ仏教」になり下がってしまうのは、仏典そのものが、インド人特有の精密なロジカルで記されていることにも原因があります。けれども、仏教を知識や定義から理解して哲学的に向き合う悪しき慣習が弱まらない限り、日本の仏教出版社は次々と消えていくと思いますね。
しかし、改善するのは難しいでしょう。
悪しき伝統の力は強いからです。
なので仏教の専門書出版社は、消滅&陶太していくのが定めでしょう。
で、ナチュラルスピリット社のように、大衆に向けてわかりやすく説明するスタイルの中に、生き残っていくんじゃないかと思いますね。
仏教出版社も、ナチュラルスピリット社をお手本にして、アネモネに登場できるくらいのソフト&ハート路線にして、仏教ではなく「タンマ」と言ってリニューアルするくらいがいいんじゃないのかな^^;
こういう大胆なムーブメントを演出できるのも出版社の特権じゃないのかなあ。
と、そんなことを思ったりもします。
あなかしこ。