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気づき・プレゼンスに至る4つのやり方
気づき・プレゼンスに至る方法には大きく分けて4つあると思っています。ちなみに「プレゼンス(実在・存在)」は「気づき」と同じことですね。本質は同じです。
元々誰もが「気づいて」います。が、マインドが活発なため、気づき(プレゼンス)がわからなくなっています。
そこで、気づき(プレゼンス)に立ち戻るやり方と深める方法が、各方面で考えられています。ざっとまとめてみますと、
- テーラワーダ・・・対象への気づきを通して「気づきの主体」に気づく
- アドヴァイタ・・・ダイレクトに「気づきの主体」に気づかせる
- スピリチュアル・・・直感的に気づきの状態になる
- マインドフルネス・・・ええとこどり&実生活に活かす
となると思います。で、これら4つのやり方をくわしく説明したいと思います。
テーラワーダのやり方
テーラワーダ式は一般的によく知られているやり方かもしれません。特徴としては、
- 対象に気づくことをしながら「気づきの主体」に気づくやり方。
- 気づきのベクトルを外側に向けながら、気づきの主体に気づくようになる。
- 「気づきの主体」に気づくことを「名色分離智」という。
- しかし「気づきの主体」を言語化・観念化・意識化・イメージ化をしない。
- 思考が強い人でも瞑想実習によって「気づき」がわかるようになりやすい。
- 菩提分法などの方法が確立されている。
- 気づきの主体を観念化・言語化しないため気づきの主体がすぐにはわからない。
- 実習を繰り返して体験・体感する。
テーラワーダのやり方は「気づきの主体」に気づきにくく、時間がかかるという課題がありそうです。
テーラワーダでは「気づきの主体」を観念化・言語化しない伝統があります。実習を通して体感するしかありません。
しかしハードルを超えた末によって身につく気づきのためか、一番安定していると思います。
アドヴァイタのやり方
アドヴァイタのやり方は、禅、非二元ともほとんど同じになります。本覚(人は誰でも最初から悟っている)ということに気づかせるやり方です。
アドヴァイタの特徴は、
- 気づきの主体にダイレクトに気づくやり方。
- 気づきのベクトルを内側に向けて、気づきの主体にダイレクトに気づくやり方。
- 気づきの主体こそが「目撃者」「観察している自分」「本当の自分」「I AM」。
- マインド(精神活動)の自分とは異なる自分が「本当の自分」。
- 気づきの主体を観念化・言語化しているためセンスのある人はすぐにわかる。
- 思考が強いとなかなかわかりにくい(思考が強い人はテーラワーダ式がおすすめ)。
- 方法が確立されていないためやり方がわかりにくい。
アドヴァイタは、気づきの主体を「目撃者」「観察している自分」「本当の自分」と言っています。観ている自分、聞いている自分、感じている自分、存在している自分のことですね。
本当の自分は、
・生まれてから死ぬまで変わりません。
・判断もしません、思考もしません、評価もしません。
・ただ目撃し続けています。
・感じ続けています。
・あり続けています。
アドヴァイタでは、当たり前の事実としての「変わらない自分」「気づいている自分」に導きます。マインド(思考などの精神活動)の自分とは異なる自分が「本当の自分」として導いています。
つまり「I AM」をまず自覚させる。そうしてこれを深めていくのがアドヴァイタのやり方です。
スピリチュアルのやり方
スピリチュアルの特徴は、
- 直感的。
- 細かい説明は抜きにしてシンプルでストレート。
- ツボル人にはツボる。
- マスターのプレゼンス(悟り)エネルギーで導かれる。
- 間違えやすいところもあって、妄想になびく場合もある(注意が必要)。
- 雰囲気はムードに流されてわかった気になる場合もある。
- 方法が確立されていないためやり方がわかりにくい。迷いやすい。
- マインド(思考)が強いとほとんどわからない。
スピリチュアルでは、細かい説明を抜いて直感的にプレゼンスに導きます。感覚的な人はツボります。
が、妄想になる場合もありますので、注意も必要だったりもします。また直感的なアプローチですので、マインド(思考)が強いとわからない場合もあります。
ちなみにレナード・ジェイコブソンは「スピリチュアル」にカテゴライズされると思います。スピリチュアル系のプレゼンスになると思います。
細かい説明は抜きに直感的に「いまここ」に誘導もしています。レナード・ジェイコブソンのやり方は直感的ですが、テーラワーダやアドヴァイタの気づき・プレゼンスと同じです。
マインドフルネスのやり方
マインドフルネスやACTの特徴は、
- テーラワーダ、アドヴァイタ、禅、ヨーガ、非二元の「ええとこどり」。
- 気づき・プレゼンスによる効果を活用して実生活に活かす。
- 気づき効果をサポートする心理テクニックが豊富(脱フュージョンなど)。
- 悟りや解脱を目指さない(どこまでも現実に活かすのを目的とする)。
- 悟りを目指さないので、プレゼンス・気づきが深くなりにくい。
- サンカーラ(無意識)の浄化の方法が無い(言及されていない)。
- イライラ、不安感、焦燥感などのネガティブな気分が強い人は、サンカーラからの解放が難しい場合がある。
マインドフルネスやACTは、テーラワーダやアドヴァイタなどの「ええとこどり」をしながら、悟りを目指すことなく、実生活に活かすことを着地点としています。
しかしマインドフルネスやACTでは、脱フュージョンなどの心理テクニックを使って、気づきの効果をサポートしているのは役に立ちますしメリットです。
「弱い気づき」であっても、心理テクニックを併用すれば、気づきの効果を後押しできます。これは優れた点です。
けれどもマインドフルネスやACTでは悟り・解脱を目指しません。といいますか否定しています^^;似て非なるのがマインドフルネスやACTだったりします。
それぞれの使い分け
このように、それぞれやり方・導き方が違います。マインドフルネスは悟りとは異なります。それぞれの方法を使い分けることも必要でしょう。
悟り・解脱を目指す人向け
悟り・解脱を目指すならば、できることなら
- テーラワーダ・・・実習を通して気づきを深める
- アドヴァイタ・・・ダイレクトに「本当の自分」に気づく
- スピリチュアル・・・エネルギー的なアプローチを活かす
- マインドフルネス・・・心理テクニックを活かす
といった具合にメリハリを付けながら4つを活用し、実習すると良いのではないかと思います。
マインド(思考)が強い人向け
あとマインド(思考)が強い場合は、気づきの主体に気づくアドヴァイタ式や直感的なスピリチュアル式のアプローチは、わからなくなる場合が多いかもしれません。
そこでマインド(思考)が強い場合は
・テーラワーダ・・・この方法を主にする
・マインドフルネス・・・心理テクニックをはじめ補助に使う
といったアプローチがよいかもしれません。こうした上でアドバイタ式とスピリチュアル式に触れていくのがいいかもしれません。
ストレスケア・メンタルケア・実生活に活かしたい人向け
あとストレスケア・メンタルケア・実生活に活かしたい人の場合は、マインドフルネス(ACT)になると思います。
マインドフルネスやACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)を行って、価値ある・生き甲斐となる人生を創造していくことになります。
マインドフルネスやACTは、悟り・解脱を否定しています。悟り・解脱の代わりに「価値ある人生」を目標に置いています。また気づき・プレゼンスを深めることはしません。
気づき・プレゼンスの効果を心理テクニックでカバーしながら、「価値ある人生を創造する」という観念(宗教)になっているのがマインドフルネスやACTの本質です。
気づき・プレゼンスから始まる悟り・解脱と究極の幸せよりも、「価値ある人生を創造する」を目指すのがマインドフルネスやACTです。これに満足するかどうかは、個々人の感性や嗜好の違いになると思います。
ビーイングの大切さ
ちなみに気づき・プレゼンスは不安定です。知性が絡みやすいため、どうしても揺れ動きます。
気づき・プレゼンスを安定させるには、「ビーイング」が欠かせなくなります。ハラの力ですね。丹田力。
これはリラックス、ゆるめるといった瞑想から開かれていくようになります。
気づき・プレゼンスが、おおよそ確立したなら、ビーイングの瞑想を行っていくのがおすすめになります。
「深いプレゼンス」とは、ビーイングのあるプレゼンスをいいます。思考が止まるのはビーイングの力です。ですのでビーイングは欠かせなくなります。
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