コロナ恐慌か?4月PMIが急落
PMI(購買担当者指数)が発表されましたね。PMIには、製造業とサービス業の2つの指標があります。
で、4月発表のPMI(購買担当者指数)が、製造業とサービス業の両方共に急激に下落しています。
4月の日本の製造業PMIは37.8
◎日本の製造業PMI
4月・・・37.8
急落しています。
製造業PMIは今までずっと50以上をキープ。まずますな状態。
リーマンショックのときは35に下落。3・11地震のときは45に下落。
4月のPMIは、3・11地震よりも悪く、リーマンショックに近い数字です。気になる動向です。
4月の日本のサービス業PMI・・・22.8
◎日本のサービス業PMI
4月・・・22.8
こちらも急落。
サービス業のPMIは、日本では2013年から取得しています。ずっと50以上をキープ。
しかし今年4月になって急激に50以下に下落。暴落です。22.8。
リーマンショックのときの製造業PMIは35。他業種のPMIと単純に比較できませんが、22.8はかなり悪い。こちらも気になります。
PMI(購買担当者指数)とは何か?
ところでPMI(購買担当者指数)とは何でしょうか。PMI(購買担当者指数)とは、各企業に問い合わせをして得ているデータです。
ザックリ言いますと「今月はどれだけ売れましたか?」といったアンケートを取って集めた月毎の景況感を示す生のデータです。PMIには、製造業とサービス業の2つの指標があります。
サービス業のPMIは2013年から取得しています。わりと新しい指標だったりします。
PMIは景況感を示す指標
で、PMIは50を超えれば景気が良い状態。50少し超えればまずまず。
50を少し切れば悪い状態。50を大きく切ればかなり悪い状態。
PMIとは景況感を示すわけですね。
PMIはGDPと関係がある
で、PMIはGDPと似たような動きをします。なので、PMIからGDPを予測することができます。
ちなみにPMIは毎月発表されます。GDPは3ケ毎に発表されます。
で、PMIはアンケートで得られるのですぐに指標が出てきます。GDPは計算する必要があり、指標が出るまでに時間がかかります。
で、PMIとGDPには相関性がありますので、PMIの指標から、GDPの予測ができるというわけなんですね。
4月のPMIはアメリカも下落
で、アメリカにおける4月のPMIも急落しています。
◎グローバル製造業のPMI
4月・・・47.5
日本ほどではありませんが、下落しています。
◎米国サービス業PMI
4月・・・27.5
日本と同様に急落しています。
日本の経済はヤバくなっている
このようにPMIを踏まえて、日本とアメリカとを比較すると、景況感がわかります。
日本のほうが影響が大きいですね。これは昨年10月に消費税を10%にアップしたことも関係しています。
また安倍内閣になってから7年間、緊縮財政と財政規律により、新規国債の発行を控え、いわゆる国の借金を減らす政策を続けています。このため長引くデフレとなり、企業の活力も失われています。
この上での「新型コロナウイルス」の影響です。大ダメージとなるのも仕方ないでしょう。アメリカよりも悪くなるのは、消費税と緊縮財政と財政規律があるからです。
日本のサービス業はどうなるか?
新型コロナウイルスは、まずサービス業にダメージを及ぼしています。旅行・観光業、航空業界がまずダメージ。続いて、飲食業などの接客業。バー、キャバレー、クラブ、風俗といった夜の仕事の業界は、コロナのクラスター源とも言われて大打撃も被っています。
こうした「サービス業」へのダメージが大きかったことは、4月のPMIを見てもわかります。
日本では22.8。
アメリカでは27.5。
かなり悪いです。
日本の製造業はどうなるか?
製造業では、日本のほうが急落しています。景気が急に悪化してきています。
製造業では、中国からのサプライチェーンが途絶えて、たとえば建設業界ではトイレが入荷しないため、住宅が完成しないとかの問題も起きていました。マスクが入荷しないもそうですね。
結局、日本では中国に工場を作り、中国に依存していたため、日本の製造業は大ダメージを受けています。
そのことが4月のPM指標にハッキリと出ています。
日本では、37.8。
アメリカでは、47.5。
明らかに中国に依存している日本のほうがダメージが大きくなっていることがわかります。
今後の予想~GDPはマイナス8~14%か?
コロナ禍による経済への影響は、世界中に出ています。マイナスに作用しています。
中でも日本は、そのマイナスの影響が大きいですね。コロナの影響はサービス業から始まっていますが、中国に工場を置く製造業もダメージを受けています。サービス業も製造業もダメージ。
製造業は、ジワジワとダメージが訪れますので、5月の製造業PMIは、さらに下落すると思います。
PMIはGDPと同じような動きをしますので、次のGDPはおおそそ予測ができます。
いろんな人達がGDPの予測をしていますが、GDPはマイナス8~14%という予測もあります。この数字は、PMIを踏まえた予測です。
今こそ国債を発行しての財政出動を
日本の景況感は悪化しているものの、4月のPMIはリーマンショックまでにはなっていません。
このまま何もしないでいれば、リーマンショックを超え、コロナ恐慌が起きるのは必至ですね。
しかしながら国債を発行して、企業への補償、個人給付をもっと大胆に行うならば、大難に陥ることはないでしょう。
「財政破綻するー!」を完全論破 政府の赤字は国民の黒字|MMT国際シンポジウム特別講演|三橋貴明
ちなみに国債を発行しても金利は上がりません。実際、2008年リーマンショックのとき35兆円の財政赤字を発行しています。
当時は「金利が上がる」「インフレ率は上がる」と騒がれたものの、実際は金利は下がっていっています。インフレ率も下がっていったほど。
※画像引用元:財務省のPB・緊縮の欺瞞を打破せよ! | 三橋貴明オフィシャルブログ
100兆円規模の国債を発行しても金利は上がりませんし、インフレにもなりません。もちろん財政破綻もしません。自国通貨建の国は財政破綻はしません。
なので今こそ、大胆な財政出動(国債の発行)が必要ですね。これによって日本は、コロナ恐慌に陥ることを避けられるかもしれません。