慈悲の無い宗教は危険思想
慈悲が乏しく愛が希薄な精神で貫かれた、巧妙なロジックが際立つ宗教教義は、危険思想になることがあります。といいますか、実際、危険になります。
これは特に仏教でよく見られることだったりします。見解は間違っていません。といいますか仏教を「理詰め」でよく分析しています。
しかし全般的にハートが感じられないことが多かったりします。といいますか、ハートを欠落しています。理知のみに訴えかけた書き方です。
しかも、ハートに開眼するとか、そういうダイナミックな宗教的な体験がありませんと、いっそう乖離し始めます。
知性でギシギシと分析し、理詰めで構築する宗教は危険です。さらに社会も否定しますと、もはや「危険宗教」となるでしょう。
ロジックが明瞭な宗教は愛が乏しい
けれども、この手のロジカルで構築された宗教教義は、理系をはじめ、知的な人々の好奇の対象になりやすいものだったりします。
まどろっこい「情」や、理解不能な「愛」だの「ハート」をそぎ落としますと、理知的な面が明瞭に浮き上がります。これは知的なものを好む人達には、歓迎されやすくなります。
オウム真理教が、何故に優秀な頭脳を持った連中を惹きつけたかといいますと、いろいろと理由も挙げられていますが、一つには、まどろっこい情の部分をそぎ落としたことによる、明解なロジックがあったからでしょう。
ほかにも理由はありますが、やはり「明解なロジック」というのがあったからだと思います。情やハートもロジカルに扱ってしまいますので、その明瞭性はますます浮き上がります。
知的傾向の人はロジックな宗教にハマる
それが本当に正しかろうが、間違ってろうが、ロジカルが明瞭であればあるほど、知的志向の人は、興味を示し、ハマってゆく傾向があります。
興味深いことに、こうした宗教書は大学教授とか言論人が、絶賛して推薦することも多くなります。
けれども仏教をはじめ宗教をリアルに実践しているプロからの推薦は、ほとんどなかったりします。
ハートの大切さを知っている本当の実践者は、理知に訴えるだけのものは推薦しないでしょう。
愛やハートが欠けていると危険
一見して、正しいように映っても、その発信する者の姿勢の根底に、愛やハートがありませんと、とたんに凶器となって伝播する危険性があります。
特に仏教は、これが顕著です。坐禅系でも、理知のみから迫り、語ろうとする姿を垣間見るときもあります。
このリスクに気づき、自覚しませんと、おそろしくもハートを欠いた左脳のお化け・モンスターを生み出す恐れもあります。イデオロギー信奉者と本質は、そう変わりがなくなります。
愛やハートが大切
仏教をはじめ、精妙なことや、真理に近くなればなるほど、その発言者のメンタリティが重要になってまいります。
端的にいいますと、愛やハートに根ざしている必要があるかどうかということですね。
もし、これらを欠いて、無慈悲な感触で、理知のみで訴えますと、読み手や聞き手も、それに「のまれて」いくようになります。その恐れがでてきます。
巧妙な論理があればあるほど、その影響は大きくなります。ある種の「洗脳」ともいいます。
注意が必要なのは、宗教団体とかの形を取らなくても、著書とネットいう媒体を通じて、著者と読者との間で、無意識に洗脳が進んでいくことが、現代では起きえるということですね。
理知とハートの両方が大切
大切なのは、理知とハートの両方ですね。精妙な真理になればなるほど、精妙なハートに支えられていることが大切です。
理知のみで真理を語ると、何かと過ちや偏りを生じます。愛やハートを欠いた理知だけの説明は何かと危険です。
もっともらしいレトリックを生み出すのが、慈悲やハートを欠いた姿勢です。
宗教は、思想のみではありませんね。思想を超えた「直接体験」が必要です。ですから直接体験へ誘うような「教え方」「説き方」が、本当は大切だったりします。
アダムとイブをそそのかしたヘビは、いつの時代でも、巧妙な知性の仮面をかぶって、人々をそそのかします。注意が必要です。
ウエイン・W・ダイアー「ザ・シフト」
その点、稚拙に感じたり、言葉足らずであっても、温かくもハートに響く教えや実践のほうが、実は有益だったりします。
たとえば、こうしたものは、神秘的なところがありますので、理知的過ぎる方からは敬遠される向きもありますが、大変有益なことを述べています。
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ウエイン・W・ダイアーは、著名な心理学者です。ベストセラー本も出しています。ですが、人生の途中で、神秘的なシフト体験をし、価値観が一変し、スピリチュアルに開眼しています。
その神秘と奇蹟の体験が、「ザ・シフト」という映画です。この映画の中では、ウエイン・W・ダイアーご自身が出演され、人生において、何が大切なのかを語っています。
シフト体験はハートの体験でもある
こうしたシフト体験は大切です。こうした体験を経ますと、仏教にしろ、スピリチュアルにしろ、その本質が感覚的に分かるようになるのではないかと思います。
「ザ・シフト」に見られるように、ハートを体験し、漸次、ステップアップしていくあゆみのほうが、実は真っ当であったりもします。
ハートフルさ、シンプルさは大切です。
ハートを欠きながら、ロジカルに正しく語るよりも、やさしさや、シンプルさに根ざしてゆくことのほうが、実のところ人間の潜在能力や魂は開花してまいりますね。
ちなみに「ザ・シフト」、ツタヤで100円でレンタルできます。おすすめできる映画ですね。
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