キリスト教をわかりやすく説明
キリスト教をわかりやすく説明すると、
- 「イエスの死と復活」を信じる宗教
- パウロが作った宗教
となります。
これが明快な答えですね。
はい^^
キリスト教を簡単にいえばイエスの「死」「復活」がキモのユダヤ教 キリスト教はパウロが作ったユダヤ教(ファリサイ派)のアップデート宗教だった
「イエスの死と復活」とは
で、「イエスの死と復活」とは最も重要になります。具体的にいえば、
- イエスは人類の罪を償うための小羊となって十字架で処刑された
- イエスが処刑されたお陰で、人類の罪は払われた
- しかしイエスは死後3日目で復活
- 復活したイエスは不滅の肉体を持って永遠の命となった
- 永遠の命となったイエスは、そのまま昇天して空の上空にある天の国にいる
- 創造主の右の席に今も座って生き続けていらっしゃる
- しかし時が来れば最後の審判を下すためにイエスは再臨される
- イエスが再臨されると、地上世界は破壊されて神の王国を建国なさる
- 神の王国が創られると、イエスを信じていた者は永遠の命(不死の体)となる
- イエスを信じていた者で亡くなった者も復活して神の王国で生き続けるようになる
- イエスを信じていた人達は全員、永遠の命となった不死の肉体で生き、苦しみも痛みもまったくなくなる
このようになっています。で、これがそのままキリスト教の教義となっています。
キリスト教とは、「イエスの死と復活」を軸にして、このような教義となっている宗教になります。
で、この教義を信じて信仰するのがキリスト教です。くわしいことはこちらをお読みになってください。
キリスト教を簡単にいえばイエスの「死」「復活」がキモのユダヤ教
キリスト教はパウロが作った宗教
で、上記の「イエスの死と復活」を軸にするキリスト教を考案したのはユダヤ人のパウロです。キリスト教はパウロが作った新興宗教になります。
パウロが考案したパウロ教(キリスト教)は、それまでのユダヤ教から律法を排除して、そこにイエスを組み込み、イエス本尊とした新しいユダヤ教ともいえます。
あるいは、ユダヤの神(創造主を自称する唯一新ヤーウェ)と人間との間に、仲介者イエスを建てたアップデート版ユダヤ教ともいえます。
パウロ達は「ユダヤ教とは違う」と言っていますが、しかし骨子はユダヤ教になっています。
ですので、パウロが考案したキリスト教は、ユダヤ教のアップデート宗教といえます。
しかも、ユダヤ教から律法を排除し、ユダヤ教を信仰しなくても良いというステルス性のユダヤ教にしています。
なのでユダヤの民以外にも受け入れられる「グローバル全体主義」のユダヤ教に刷新されています。
これがパウロが考案したグローバル型のアップデート宗教・キリスト教になります。
キリスト教はパウロが作ったユダヤ教(ファリサイ派)のアップデート宗教だった
初代教会(キリスト教創成期)における4つの困難
しかし初代教会(キリスト教創成期)においては、ユダヤ教に対抗する必要がありました。
ユダヤ教に対抗しなければ、キリスト教を宣教することには困難があったようです。その困難とは4つあります。
- パウロはイエスに一度も会ったことがない
- ユダヤ教のメシアは軍人や国王(強者)だが、イエスは非力で処刑(弱いメシアはメシアになれない)
- パウロ考案のキリスト教以外にも「イエスの教えを掲げる宗教」が多数あった(彼らを排除、撲滅する必要を感じた)
- パウロ考案のキリスト教内部での権力争い(原始エルサレム教団など)
こうしたのがあって、まさに内患外憂。キリスト教を広めるにあたって多くの障害を解決する必要がありました。
パウロはイエスに一度も会ったことがない
パウロは、イエスに一度も会ったことがありません。
けれどもパウロは「イエスを幻視」して、その幻視体験を「復活したイエスに遭った」「この幻視体験こそ福音だ」と確信しています。
で、パウロ教(キリスト教)を考案し、生涯をかけて布教します。
故郷のイスラエルだけでなく、地中海沿岸の地域(シリア、エジプト、トルコ、ブルガリア、ギリシア、イタリア)に布教し、破竹の勢いで、パウロ教(ヘレニズム派)を広めていきます。
ちなみにパウロがイエスを幻視した体験は、コリント一15章5-8節、ガラテヤ1章16節、コリント二12章2-7節、使徒言行録9章の4ケ所に伝承があります。使徒言行録はおそらく創作になります。
パウロは復活したイエスに遭った?~イエスの姿を幻視したアストラル体験
ユダヤ教のメシアは軍人や国王(強者)だが
それと「ユダヤ教のメシアは軍人や国王(強者)」という信仰があったものです。
しかしイエスは非力で処刑された人。
ローマ帝国を追い出すこともできなかった。むしろ逮捕されて処刑。イスラエルを主権国家にもできなかった。非力であり、軍隊を率いる王ではない。
ユダヤ教に伝わる「メシア像」とはまったく異なります。
そこでパウロ達は新しいメシア像を考案します。
そのために「イザヤ書53章3節-6節」「詩編22篇(今日私はお前を生んだ)」などから多数引用して理論武装を図ります。で、新しい「メシア」を考案。
それが現在知られている「苦悩するメシア」「人類の罪を背負って人々の苦しみを解放する人物」といったイメージです。
ユダヤ教のメシアとは強くて勇敢な王~イエス・キリストは非ユダヤ型のメシア イエスがメシアになった理由~イエスは新しいメシア像だった
キリスト教以外の「イエスの教えを掲げる宗教」
パウロ達の悩みはまだあります。
それはパウロ考案のキリスト教以外にも「イエスの教えを掲げる宗教」が多数あったことです。
たとえばグノーシス主義。
グノーシス主義は「知識」と言われていますが、これは正しい言い方ではありません。
グノーシス主義は、真理探究、本当の自己を探究するアプローチです。で、この真理探究や自己探求の際に得られる知恵を「知識」と言っているわけですね。
しかし、こうした概念に収まらないグノーシス主義もあります。
つまりパウロ教とはまったく異なる「信仰型ではないイエスの教えを掲げるグループ」に対して、グノーシス主義と言っていたわけですね。
で、グノーシス主義を排除し撲滅する必要性を感じたようです。
グノーシス主義はなぜ異端なのか?正統派教会とは違いすぎる驚きの内容 グノーシス主義とは何か?~キリスト教徒が理解できなかった知識の総称
キリスト教内部での権力争い
さらには、パウロが考案したキリスト教といっても、内部で異なる信仰を説くグループもありました。
代表的なのはペトロやヤコブといった十二使徒が率いる「原始エルサレム教団」です。
「原始エルサレム教団」は、イエスの教えに忠実で、
- 律法を重視
- 財産を共有
- 親切心・隣人愛を重視
といった教団でした。ちなみに「原始エルサレム教団」の教えは、マタイの福音書がもっとも近くなります。
しかしパウロ教では、
- 律法は不要(完全否定)
- イエスの死と復活への信仰のみ
というもので、イエスへの信仰以外は全て邪魔というものです。
しかし、パウロ教と原始エルサレム教団との間では確執も起き、このことは使徒言行録やガラテヤの手紙(2章)に経緯も伝わっています。
けれども教団内の権力争いで、原始エルサレム教団を排斥して、パウロ派(ヘレニズム派)が最大派閥になります。
キリスト教はパウロが作ったユダヤ教(ファリサイ派)のアップデート宗教だった
パウロ教(ヘレニズム派)が地中海沿岸の最大派閥になる
こうしたパウロ派としてのキリスト教(ヘレニズム派)が最大派閥になり、ユダヤ教にも対抗できる教義を作り、地中海沿岸を席巻します。
やがて313年にローマ帝国のコンスタンティヌス帝がキリスト教を信仰するようになります。
さらには392年にテオドシウス帝が国教に認定します。
こうしたキリスト教は国教となって安定し、信者も爆発的に増えます。で、ヨーロッパへの教勢拡大へと突き進み、世界宗教となってきます。
これがキリスト教であり、歴史の概要ですね。
キリスト教をわかりやすく説明すると、以上の通りになります。