学校の先生にうつ病が多いのは何故か~こだわり・こうあるべきが原因

学校の先生が「うつ病」になるケースは多い

学校の先生が「うつ病」になるケースは多いようです。実際、そういう記事もありますね。

◎精神疾患:うつ病など休職教員5045人 続く高止まり
https://mainichi.jp/articles/20151226/k00/00e/040/221000c
◎自殺した女性教諭の公務災害、2審も認める
https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/20170223

中には、自殺してしまって、学校側と争う裁判にまでなっているケースもあるようですね。これは、先生ご本人も、学校側もお気の毒です。

教育は、大事なことですので、教える先生側のメンタルも健全にしておくことは大切です。

教諭職のうつ病は、予防、対策、回復をきちんとしておいたほうがいいでしょう。

うつ病になる本当の理由~「こだわり」と「怒り」

で、うつ病になる理由もいくつかありますね。

 ・生まじめ
 ・几帳面
 ・発散下手
 ・体を動かさない
 ・自責の念が強い
 ・無理をしすぎる
 ・頑張り過ぎ
 ・完全主義
 ・プライドが高い

理由もいくつか挙げられていますが、これらは表面的な状態ですね。もっと本質的な「理由」があります。

それは

 ・とらわれ
 ・こだわり
 ・理想主義
 ・過緊張
 ・怒り
 ・許せない
 ・認められない

といった心や体の状態です。

これらが、うつ病を引き起こすトリガーになります。どういうことかは、以下、詳しく書いてまいります。

「教員辞めます」ツィートに見る「うつ病」

ところで「ツィッター」をやっていると、「話題のツィート」というのがありますよね。で、ふっと見かけたのが「教員辞めます」というツィート。

ご本人を晒すようなことは控えたいと思いますので、具体的なツィートは紹介しませんが、なんでも女性教諭の方です。

学校の先生の仕事は好きなものの、学校のシステムに耐えられないと。で、転職すると。

ふむふむ。
で、この先生の他のツィートも見てみますと、どうやら鬱になっている様子なんですね。でも、本人は自覚していないと思います。

が、文章の調子、考え、緊張感などから、鬱になっています。本人が自覚がないだけで、結構な鬱が入っている。

これは教員の仕事を休職したほうがいいんじゃないかと。学校の先生の仕事は「好き」とありますので、適職のはずです。嫌な仕事が適職であるはずがありません。

なので、学校の先生の仕事そのものは辞めずに、今は休職し、回復したところで、何故こうなってしまったのかを省みて、場合によっては他の学校へ移動して、学校の先生そのものは続けたほうがいいのではないかと。

てか、この方の様子を見ていると、仮に他の仕事についても、おそらく同じような問題を抱えると思います。

なぜなら、理由が、仕事の内容とかではなく、この方の心の姿勢に問題があるからなんですね。

それなら、その心の姿勢を改めて、大好きな仕事である「先生」を続けたほうがいいんですね。

「こうでなくっちゃ」という「こだわり」が生き方を狭くする

で、この先生の問題は、ズバリ、「こだわり」なんです。

「理想像」へのこだわり。「こうでなくっちゃ」ということへの「こだわり」。

どういうことかといえば、「先生とは、こうあるべきだ」「教育とは、こうあるべきだ」という理想や信念がものすごく強い。

これだけ強い信念を持つと、学校で現実に起きている様々なことを受け入れることができず、認めることができず、つらく感じるようになります。

で、どんどん心が狭くなっていて、生き方自体が狭くなり、窮屈になって生きづらくなっていくようになります。

で、さらにマイナス思考が渦巻くようになって、それでますます自分で追い詰めて、うつ病になってしまう。

言い換えれば、現実が自分が思っていることとは違うことばかり起きているので、それが耐えられない、許せない、認めることができないというわけなんです。

なので、同僚の先生に対しても「あそこが悪い」「なってない」と品定めをし始めるわけですね。

で、こういうのが「批判的な性格」とか「マイナス思考」と言われるわけですね。

「怒りの心」とは「拒絶」「嫌い」が本質の心

さらに掘り下げると、「怒りの心」、つまり「拒絶の心」が強いわけですね。

「怒りの心」とは、感情を爆発させて怒ることと思われていますが、それは「怒りの表現」なんですね。

本質は「認めることができない」といった「拒絶の心」です。

わかりやすく言えば「嫌(いや)」といった心です。これが「怒りの心」の正体。

怒りの本質は「嫌い(拒否・拒絶・排除)」という感情~ハートを育むことが大切

「嫌」だから、拒否反応として「あっち行け!」「こらー!」と、はじき返す心、つまり攻撃心となって爆発することも出てくるわけですね。

ちなみに「好き」になると、「もっとも、もっと」というウェルカム状態になってこれが「貪欲」となっていきます。

怒りは拒絶・排除なので、これに強い感情が絡めば、はじき返す、攻撃ともなるわけですね。

貪りは好き・欲しいなので、これに強い感情が絡めば、もっともっと頂戴、貪欲となるわけです。

で、「怒りの心」が強くなると、周囲に対してもどんどん批判をし、批難をし、嫌なことばかりに見えてきて、考えそのものもネガティブになっていきます。この行き着く先が「うつ病」です。

うつ病は心と体の硬直さによっても引き起こす

うつ病は、心と体の硬直が生み出しているとも言えます。

実際、うつ病は、心と体が硬くなって、反応そのものが鈍くなったり、反応しなくなります。

事実、うつ病になると、心だけが硬くなるのではなく、脳も硬くなり、萎縮して、傷つくようになります。

◎うつを作る「じわじわストレス」 脳内物質に異変|健康・医療
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO96149410V10C16A1000000

この病気は、怒り、拒絶によって、自分自身を狭め、緊張させ、硬くなってしまうところに本当の原因があります。

で、うつ病になると、心と体・脳が硬くなります。物事へ硬直した受け止め方をし、心の柔軟性が無くなり、心の反応も鈍くなって、硬くなっていきます。体も同様です。

ストレスを受けると、筋肉が硬直しますよね。これと同じです。

うつ病とかになると、体全身が硬くなります。心と体が硬くなる。この結果、ますます硬直した物の見方にもなっていきます。

硬直した見方になってしまうのは、「怒り」が強いからです。「怒り」は、「拒絶の心」が本質です。「嫌だ」、「認められない」という心。

 

「怒りの心」に「こだわり」が加わって信念・理想を持つと苦しみをもたらす

なので、怒りの強い人が、理想や理念、信念を持ち、そこに「こだわり」が加わると、ヤバくなるんです。

実際に起きていることに対して、とにかく抵抗しまくるようになるわけです。

脳内に描いている「理想」「思い」と比較して、現実が違っていることに対して、「違う」「そうじゃない」「おかしい」「ヘンだ」「許せない」となって、認めることができなり、「あるがまま」に受け入れることができなくなるわけなんです。

抵抗したり、認めることができないのは、「自分は、こう思っている」「これが正しいんだ」「こうでなくっちゃいけない」といった「思い」が強いからなんです。

良いことであっても、悪いことであっても、何らかの信念なり、価値観なり、理念に、強くしがみつけば、必ず苦しむようになるんです。

意外なのは、「良いこと」であっても苦しむわけなんです。

なので、「正しい」と思われている「宗教の教え」「道徳」「成功法則の教え」「ポジティブ思考」など、およそ「正しい」と思われている「思考」「信念」「価値観」であっても、それに「こだわり」、強くしがみつくと、途端に現実への適応力が弱まり、反対に、「苦しみ」をもたらすようになるわけです。

で、宗教にハマっていたり、政治思想にかぶれていると、煙たがられるようにもなるわけです。端から見ると、周囲とは馴染まない、独特な世界で生きているように映るからです。

実際のところ、「そう見える」のではなく、本当に「独自の思考の世界」に生きています。そう、まさに「思考の世界」に生きていて、「現実の世界」に生きなくなるわけです。

ちなみに、「宗教の教え」にハマった人は、その宗教の教えと周囲との軋轢による苦悩に対して、「受難」「迫害」といった解釈を持ち込んで、正当化します。

宗教とは、そういう物語をいくつも用意しているんですね。で、この物語に、どんどんハマっていくようになって、いわゆる「洗脳」が作られていきます。

「理想」は素晴らしいと思われがちだが実際は危険な場合がある

話しを戻しますが、この先生の場合、「先生とは、こうあるべきだ」「教育とは、こうあるべきだ」といった思いが強いんです。

世間では、「先生とは、こうあるべきだ」「教育とは、こうあるべきだ」と理想を語れば、「そうそう!先生、その通り!」と拍手喝采になります。

が!現実は違うんです。

怒りが強く、その上、こだわりが強ければ、こうした崇高な理想を語れば語るほど、その人は、苦しくなっていくわけなんです。

なぜなら、その崇高な理想なり理念に、ますますしがみついていくからです。

で、精鋭化していくんです。で、どんどん理想や理念の世界にハマっていくようになります。で、現実に対して「ダメだなあ」と色あせて見えるようになって、失望していくんですね。

さらに、周囲もつまらない人達に見えて、落胆し、心の病になっていくわけなんです。

怒り・こだわりが活かせる世界~宗教・思想の世界

ちなみに、これは宗教の世界では、よくみられます。あるいは、政治思想を掲げた結社ですね。

といいますか、宗教や結社は、こうした「思い」が強い人達が活躍できる世界の一つです。その思いの強さを、宗教や政治思想の教義体系に合致すれば、適職になります。

実は、昔の教育現場もそうだったのですね。

「こうあるべきだ」という訓示があって、それに合致させていると、「良い教師」であるとか、「良い生徒」であると言われたわけです。

ルールにしっかりと従う人が「良い人」という評価です。

ところが、今では、自由にもなってきていますので、現場の様子も変わってきていることでしょう。

なので、自由が多い環境では、理想が強かったり、思想にこだわりのある人は、生きにくくなります。

「少年よ大志を抱け」がプラスに作用するのかマイマスに作用するかの違い

そういうこともありますが、結局、「先生とは、こうあるべきだ」「教育とは、こうあるべきだ」という素晴らしい理念が、その人自身を蝕み、周囲ではなくて自分自身をダメにしてしまうわけなんです。

わかります?
「少年よ大志を抱け」
とういう訓示もありますが、これは、心が柔軟な人の場合は有益なんです。効果的。

ところが、怒りが強く受け入れることがしにくい人や、こだわりが強い人、執念深い人が「少年よ大志を抱け」とかやりますと、とたんに苦しみになってしまうわけです。

理想や理念が、自分を苦しめ、世間を狭くし、自滅させていくような働きをしてしまうんです。

うつ病対策~いまここ・リラックス・ゆるす・笑う

なので、対策としては、「先生とは、こうあるべきだ」「教育とは、こうあるべきだ」といった理想や理念を強く抱かないことなんですね。

生真面目になって、そういう理想とかは抱かないこと。理想を抱くことが悪いのではなく、関わり方の問題です。姿勢です。

関わり方や姿勢、心の有り様が問題なわけですね。

・「こだわり」「理想」の代わりに、「いまここ」「マインドフルネス」。
・「生真面目」「緊張」の代わりに、「リラックス」
・「怒りの心(拒絶する心)」の代わりに、「ゆるす」「愛する」「寛大になる」「笑う」。

これを取り入れて、行っていくことが肝要なんですね。

ついでに言いますと、うつ病への対策としては、

・「セロトニン サプリ」
・「笑う」こと

もおすすめです。

無理にでも「笑う」ことで、心と体は柔らかくなっていきます。

笑いは、「ゆるし」であり、「リラックス」であり、「いまここ」に連なりますので、「笑う」ことは大事なことなんですね。

極論すれば、「笑い」と「ユーモア」をモットーにして生きていくだけでも、鬱的にはならなくなります。
で、あと、同じ学校でも、規則が厳しい学校とか、ガチガチな学校で教諭職をするといいと思いますね。宗教団体に就職するのもいいと思いますね。

生真面目さは、世間的には評価されることがあっても、心の成長の観点でみれば、よろしくありませんが、仕事を選ぶ際には、その性質を活かせる職業を選択すると、いいですね。

これは、実際に生きていく上での処世術です。
で、いろいろととご事情もあると思いますが、「あるがまま」「ありのまま」といった柔軟でポジティブなメンタリティであったほうがいいんですね。

こうした状態で、やらわかーく理想なり理念と向き合うと、いいんですね。

で、これを実現しやすくするのが「いまここ」。これなんですね。

「いまここ」が有益な理由が、こうした事例からもわかってまいります。

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