ブッダが説く解脱の方法【まとめ】

ブッダが説く解脱の方法【まとめ】

ブッダが説く解脱の方法をまとめてみます。パーリ仏典を精密に読んでいきますと、ブッダの導き方がきちんと伝承されています。

その導き(アプローチ)は一つの「型」になっています。どういうことかといえば、

出家に対しての導き方

1.四聖諦・八正道を説く

  • 中道(二辺を離れる)ことこそが八正道。
  • 二辺を離れるとは、諸欲に取著すること、苦行に励むことから離れる第三の道。
  • 中道以外の歩みや愛用は賢聖ではない(無益である)。
  • 四聖諦
    /苦聖諦:苦
    /集聖諦:執着
    /滅聖諦:涅槃
    /道聖諦:八正道
  • 四諦を実践して(三転十二行相を実践して)如実知見を得る。

2.遠塵離垢の法眼を生じたり(預流果になる)。

在家に対しての導き方

1.施論、戒論、生天論を説く
2.諸欲の過患・邪害・雑染、出離の功徳を説く
2.堪任心、柔軟心、離障心、歓喜心、明浄心が生じる
4.四聖諦・八正道を説く

5.遠塵離垢の法眼を生じたり(預流果になる)。

在家の場合は、出家と違って「前置き」があります。それは、

  • 施論(ほどこし)、戒論(いましめ)、生天論(これらを行うと死後、天人になる)
  • 諸欲の過患・邪害・雑染、出離の功徳(欲にまみれないことは素晴らしい)
  • 堪任心、柔軟心、離障心、歓喜心、明浄心が生じる

この3つです。以下にくわしく説明しましょう。

ブッダは「心を浄め」て解脱へ導く

で、ブッダの話し方を見ていくと、気がつくことがあります。それは心を浄めながら解脱へ誘う導き方であることです。このことは在家に対する導き方に顕著に出ています。

まず「ほどこし」を行い、「いましめ」を保つ生き方をしていると、亡くなった後、善い境涯、天人に生まれ変わりますよ~と説きます。

ブッダはハッピーになる話しを説いて、聞いている人が、ウキウキワクワクするようにするんですね。「おお、こうすれば幸せになれるんだ!」といった感じです。

で、さらに「欲にまみれないほうが気持ちがいいし、幸せになるんだよー」と説いて、もっと善い幸せになれるコツをお話しします。

こうして聞いている側の心がどんどん清まっていくように誘導します。要は心を浄めさせていくことなんですね。

それが、

  • 堪任心・・・堪える心、辛抱する心、欲得に流されない心
  • 柔軟心・・・やわらかく、丁寧で、うるわしい感じ
  • 離障心・・・暗くトゲのある重たい心から離れた様
  • 歓喜心・・・よろこびあふれ歓喜する心
  • 明浄心・・・明るく澄んできよらかなになる

といった心の状態です。

で、聞いている人が、こういう心になったのを、ブッダは確認してから四聖諦を説く。如実知見(あるがまま)を説くわけですね。すると預流果に悟るというわけですね。

心を浄めると預流果になりやすい

これがブッダの十八番。
話しの仕方。
導き方。

おわかりでしょうか?このブッダの導き方には、ものすごいヒントとポイントがあるんですね。

それはズバリ!
「心を浄めると預流果になりやすい」ということなんですね。

ブッダの説法は、相手をどんどん浄めていく話しの仕方なんですね。出家者の場合は、既にある程度、心がきよまっていますので、いきなり四聖諦から説くわけなんです。

在家はまず心を浄めることが大事

しかし在家は、生活に染まっていますので、まず、心を浄める。

  • 施論(ほどこし)、戒論(いましめ)、生天論(これらを行うと死後、天人になる)
  • 諸欲の過患・邪害・雑染、出離の功徳(欲にまみれないことは素晴らしい)

で、堪任心、柔軟心、離障心、歓喜心、明浄心が生じたのがわかった時点で、四聖諦を説いて、預流果にブレイクスルーさせるのがブッダのやり方なんですね。

で、このステップは、そのまま修行や実践のやり方の要諦になっているんです!

仏教が「心の浄化」を説く理由

だから!仏教では、善とか徳とか、心の浄化とかが言われるんですね。これは、浄心になることで預流果になりやすいからです。

悟りの一瞥体験もそうです。

浄心
心がきよまっていくことで、悟りに開かれやすくなる。

浄心の意味は深かったりします。
・心がきよまること
・執着が薄くなること
・智慧が強くなること
・慈悲が強くなること
・自我が弱くなること

他にもエッセンスがあるかもしれませんが、こうした徳がそなわってくるに従って、悟りは起きやすいのではいかと思っています。

紛らわしい悟り体験

ちなみに悟り体験と紛らわしいのは、

・一瞥体験
・チャクラ覚醒体験
・アストラル界の体験(魔境)
・乖離(意識の分離)
・思い込み(妄想、想像、夢)

ですね。
これらは悟り体験に似ていますが違うんですね。

悟り体験では忘我があって、自分という認識が無くなるといいます。一瞥体験では自分という認識は落ちません。

まとめ

このようにブッダは、相手の心を浄めながら話しを進め、相手の心を浄めていくことに特徴があったりします。心が清まることで悟り体験をしやすいというのもあります。

仏教が、何故「心の浄化」を重視しているかといえば、悟りやすくするためというのがあります。

それはブッダの導き方をみてもわかりますね。心の浄化には深い意味があります。とても大事なことですね。

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