ローランドはシンセサイザーを開発し続けてきたユニークな楽器メーカー

ローランドはユニークなシンセサイザーを生み続けた国産の電子楽器メーカー

今でこそ音楽を自動演奏させることは当たり前でしたが、音楽の自動演奏をさせるマシンであるMC−8は画期的だったものでした。
1978年ですね。

そのMC-8をを開発した楽器メーカーこそが、浜松市に本社のあるローランドです。

◎Roland MC−8~元祖DTMな音楽専用コンピュータのマイクロコンポーザー
https://yurubossa.com/entame/mc8/

ローランドは当時から一歩先行く近未来楽器を作っていました。

ユーニクな楽器メーカーです。
ローランドの画期的な商品は数多い。

もうユニークかつ斬新な製品だらけです。
こっちを見れば一目瞭然かもしれませんね。

◎Roland – JP
https://www.roland.com/jp/
◎【ROLAND】シンセサイザーの歴史 – dragonkiller 総合まとめWiki
https://www23.atwiki.jp/dragonkiller/pages/466.html

エース電子楽器からスタートして、途中でローランドに社名変更。たしか中学の時代、創成期当時のこの楽器メーカーを知りました。

最初、イギリスの会社かと思いました。
が、日本の企業と知って「へんなの」と少年の心はそう感じました。

この「へんなの」は、良い意味で「へんなの」ということが後で分かりましたが、電子楽器のサブカルチャーらしい企業名を音韻に含んでいるのかもしれません。音の響きそのものが、サブカルなのでしょう。

SH-1000/1973年

ロ−ランドは、なんといっても初っぱなからの国産初のシンセサイザーを世に出します。
1973年に「SH-1000」を発表。

ROLAND SH-1000 Demo & Review [English Captions]

◎proun.net – ROLAND SH-1000
https://www.proun.net/gallery/roland_sh1000.html

System 700/1976年~Moogに対抗した国産モジュラーシンセの先駆け

またムーグのモジュラーシンセに対抗し、なおかつ廉価として発売した国産モジュラーシンセの「システム700(System 700)」。
1976年に登場。

The Analog Lab NYC – Roland System 700

廉価といってもたしか当時240万くらいだったでしょうか。

しかしムーグが、家が充分に建つ1000万円くらいでした。

なので、ローランド・システム700は安かった。カタログをしげしげと眺めて、穴が開くくらい眺めていた思いでもあります。

◎私の愛して止まない名器【特別編】Roland SYSTEM700
http://dg.ishibashi.co.jp/?p=31735

システム100や100M~廉価版システムシンセサイザー

しかしさらに低価格にしたシステム100や100Mも登場します。

庶民に優しい。
優しいといっても当時、10数万〜30万くらいしました。

高かった。

しかし発想がいい。
サブカル的です。
で、ユニークかつ斬新です。

TR-808/1980年~「808 State」により世界的に有名なリズムマシンに

そうして一世を風靡したリズムマシンTR−808。
通称、「やおや」。

コイツを忘れてはなりませんね。

Roland TR-808 (1982) – Famous Drum Beats

1980年の登場しますが、発売当初は、中途半端な「おもちゃ」のように思われて、テクノシーンでもYMOなどの限られたバンドでしか使用されなかったものです。

しかも隠し味的な使用だったものです。

ところが発売から10年近く経ってからの1989年から、TR-808は世界中に爆発的に広まります。

10年近く経ってからユーザーが一気に多くなったという現象。

理由は、1989年にリリースされた「808 State」の「Pacific(パシフィック)」が大ヒットしたことです。

ハウスミュージックの先駆けにもまった「808 State」が使用したことで、TR-808は、テクノ愛好家の必須アイテムにすらなります。

ちなみに、「808 State」は、TR-808から採用したバンド名。バンド名にもなっているほどTR-808を愛用していたという塩梅です。

◎808ステイト – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/808

808 StateとローランドリズムマシンのTR-808

今では808(やおや)という名称は定着し、ローランドリズムマシンのTR-808のことであることは有名です。

しかも「808 State」が出したパシフィックは、世界的にハウスのブームを生み出すきっかけにもなります。

新時代を作ったサウンドが、「808 State」が出したってことですね。

ブームの背景に「ローランドあり」です。

◎伝説のドラムマシンTR-808が起こした、ポップス史における8つの革命
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/27418

ディメンジョンD(Dimension D)~音楽シーンを変えた画期的エフェクター

ローランドはもう名器揃いです。
エフェクターの世界もで常に斬新なものを生み出します。

ローランドのディメンジョンD(Roland Dimension D)は忘れてはなりません。
三相コーラスです。

Roland Dimension D

名器ソリーナの秘密の部分をパクったのかな、と思わせるところもありますが、いえいえそういうレベルではありません。

80年代からの音楽シーンにおいては、ディメンジョンD(Dimension D)。もはや必須のエフェクトスパイスです。

実は70年代サウンドから80年代サウンドにかけて、高品位なステレオ感や音像におけるサウンド自体に、ダイナミクで大幅な飛躍がありました。

そのステレオ感や音像といったサウンドクリエイトに爆発的な力を発揮したのが、ローランドのディメンジョンD(Dimension D)です。

知られざる縁の下の力持ち的なエフェクターです。大功労者が、ディメンジョンD(Dimension D)。

ローランドのディメンジョンDなどのエフェクターから、現在のメタミュージックが誕生したといっても過言ではありません。

エフェクターといえば、エフェクター専用のメーカー「BOSS」。

BOSSはギター専用のものが多かったですが、お金のない学生は、BOSSを買ったものです。

BOSSのコーラスは、ローランドのディメンジョンの代替でした。

サブカルチャー的な発想のローランドはマニア嗜好をくすぐる良楽器メーカー

ローランドは、電子楽器のサブカルチャー的な発想で、まあテレビでいえばテレビ東京のような感じで、マニアが好む、マニアのツボにはまる電子楽器を出してくれましたね。

いやあ70年代〜80年代のローランド製品には心トキメクものが多かった。

学生でも買えるように、TR−606とか、そんなお手頃価格のリズムマシンを出してくれたり^^;

Roland TR-606 Drumatix

今でも素晴らしいものを作っています。

んが、当時と比較すれば、今は異常なくらいの低価格と高品質になっていますね。

20万円も出せば高性能過ぎるキーボードが手に入ります。

こういうユニークな楽器メーカーが浜松にあることに感慨深くなりますねえ。

元々大阪にあったのですが、25年くらい前でしょうかね、浜松に本社を移しています。

市場の縮小とDTM普及による粗利減少

聞くところによるとローランドも今は、大変だとか。ふむふむ。

電子楽器は、若い世代が使うことが多かったため、高齢化を迎えた日本では市場が縮小傾向なのかもしれません。

それと最近はテクノロジーが進化して、低価格でコンパクトな製品も多くなりました。

今やPC一台で音楽を創るDTMの時代です。
DMTのCubaseから、コンデンサーマイク、ヘッドフォン、スピーカーまでスタジオセットが全部一式そろって、約7万円でそろってしまう時代です。

今や10万円もあれば、全てそろってしまう時代。昔のように鍵盤付きの楽器は廃れていくのも仕方ないですかね。

昔のように、キーボードが一台、30万とか50万円もした粗利をガッツリ稼げる時代とは違って、今ではセコセコと小さな利益を追っていく時代です。

それに見合うユーザー(パイ)が多いのかどうか。

まだ80年代のほうが、若者も多く、粗利の多い収益が実現し、ローランドも潤っていたんじゃないかと思います。

少子化に伴い、楽器メーカーは大変かと思います。
市場の見直しと、戦略の立て直しが必要ですね。

これは世界中の楽器メーカーが抱える課題なのでしょうが、アフリカ、インドといった市場を狙っていくのがセオリーですかね。

中国は、さすがに国家が管理していて、おかしな機制も多いため、市場としてはリスクがあります。

ローランドの今後に期待

とまあ、浜松市にあるテレビ東京的な楽器メーカーなローランド。

中学の頃から、創成期時代を知っていたとわけですが、本当にまあ、電子楽器が好きだったんだと、今さらながら思い返します。

ローランドには、今後とも頑張っていただきたいですね!世界に冠たる、日本の電子楽器メーカーですからね。

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