アポロニオス~イエスと同時代にいたトルコの聖者・奇跡を起こす者
テュアナのアポロニオス。
イエスと同時代の1世紀に、トルコにいた聖者。遍歴をしながら各地で学び奇跡を行ったとされる超能力者。
アポロニオスの生誕
アポロニオスは、イエスに似たような神秘的な誕生をしています。
妊娠中のアポロニオスの母親の夢に神が現れ「あなたは私を産む」と告知したとか。
で、ある日、母親が花畑でうたた寝していると、突然、白鳥たちが歌い踊り、晴天の空にもかかわらず雷鳴が轟き、アポロニオスが生まれたといいます。
神童だったアポロニオス
アポロニオスは少年時代から記憶力がよく、言葉も巧みな神童だったといいます。
14歳で哲学を学び、新ピタゴラス主義に傾倒。五戒に似た戒律を守る生活をはじめたようです。
20歳になってから、5年間言葉を発しない沈黙行に入り遍歴。そうしてトルコのアンティオキアなど、各地の神殿巡りをはじめる。やがて鳥の言葉がわかるようになったといいます。
インドへ渡る
40代になると東方遍歴に出かけてインドへ行ったそうです。
で、バラモン僧に遭い、占星術を学び、悪魔祓いを行うようになったとか。
地中海沿岸を遍歴
インドから帰還すると、地中海方面のギリシア・ローマを遍歴したといいます。
道中、トルコのエペソスで疫病を退散。その他各地で、降霊、悪霊退治、名家の花嫁を生き返らせるなどの奇跡を行ったといいます。
アフリカを遍歴
ローマから出た後、北アフリカ、シチリア、エジプト、エチオピアを遍歴。
その後、ドミティアヌス帝から暴動教唆とした政治犯、また魔術の罪で投獄されたといいます。しかし瞬間移動して脱獄したとか。
晩年のアポロニオス
晩年はトルコの都市エペソスで弟子の教育指導に励んだそうです。
ちなみに96年のドミティアヌスの暗殺をリモートビューイング透視したとか。
アポロニオスは復活し昇天した
アポロニオスの最期については複数の伝承がありそうです。100歳以上生きたとか、死後復活して弟子の前に現れ昇天したといいます。
アポロニオスの著書
アポロニオスの著書としては、
- 秘儀の伝授あるいは供犠について
- 神託
- 犠牲について
- 4巻の占星術本
- ギリシアにおける神託をもとにした哲学書
があるようです。
アポロニオスに見る伝説化
アポロニオスの逸話の中でも、イエス・キリストの復活&昇天に似た話しは注目になります。
ちなみに、この当時、復活信仰やメシア信仰が地中海沿岸にはありました。
イエス・キリストが生きていた頃はメシア信仰と復活信仰が広まっていた時代
イエスもそうですが、アポロニオスの逸話も、当時の信仰が混在して作られた可能性があるんじゃないかと思います。
新約聖書の福音書(イエスの生涯)は、おそらく当時広く浸透していた「メシア思想」や「復活信仰」を交えて、脚色や希望を織り交ぜて作った伝説にもなっているのではないかと思います。
アポロニオスの逸話を読むと、イエスの生涯にも通じるところもあって、聖人化するのは、世の常なのではないかと思います。
アポロニオスの話しも学びになりますね。いろいろと示唆に富んでいます。
それにしてもこのイエスが生きていた時代には、アポロニオス、ホニ・ハメアゲル、ハニナ・ベン・ドーサといった聖者や奇跡を起こす者が複数いたことは興味深いですね。
ハニナ・ベン・ドーサ~イエス・キリストと同時代にいた奇跡を起こす人 ホニ・ハメアゲルほか~イエスと同時代にいた奇跡を起こした者