天人・死霊・天狗が住む「あの世」の仕組み
「あの世」。
あちらの世界。
あの世には、
・良い霊(天人)
・浮かばれていない霊(地縛霊、死霊)
・禍々しい霊(妖怪、天狗、ガキ)
といった霊がいます。
こうした「あの世」の仕組みを解き明かしたものに仏教があります。
ところが江戸時代の幕末に、神道系の人の中から「あの世」の仕組みを解き明かした人が何人もでてきます。
幕末には「あの世」へ行ってきたという人が何人も出ているんですね。
が、幕末の文献では、人によって「あの世」の区分の仕方が違います。
たとえば島田幸安がいます。
島田幸安ってどういう人?って思われる方はこちらをご覧ください。
島田幸安によるあの世の区分~天仙・地仙・海仙
島田幸安の分類では、そもそも「あの世」は
・天仙・・・地上の上空にある「あの世」(天界)
・地仙・・・地上にある「あの世」(幽界)
・海仙・・・海にある「あの世」
の3つに分かれていているといいます。
で、「地仙」こそが人間界に近い「あの世」。
地仙は幽界とか幽冥界と言われる世界だといいます。幕末の人は地仙、つまり幽界・幽冥界へ行ってきたというわけですね。
地仙~地上にある身近な「あの世」
で、この「地仙」も分かれていて、上から
・神仙
・仙人
・山人
・霊人
・狗賓(くひん)・・・天狗界
・大天狗(山霊)
・小天狗(山精)
・木仙
・鬼
・木葉天狗(境鳥)
・魔天狗(妖魔)
・邪鬼
に分かれているといいます。
「狗賓(くひん)」が天狗界。
いわゆる天狗・鬼・邪鬼というわけですね。
で、仏教の狗賓(くひん)を「仏魔」と言っているようです。
空海は大天狗(山霊)?
驚くこと二「空海」は大天狗(山霊)であると。
ふーむ。。。
本当なのかしら?
でも、何人かの人が「空海は天狗になっている」と報告しています。
うーむ。
天狗って最下層です。
もっとも空海は最下層でも、一番上の大天狗のようです。
ふーむ。
これが事実ならショックですなあ。
異境備忘録は怖い話しも少なくない
あと同じ幕末に登場した霊能者の宮地水位が記した「異境備忘録」にもあの世のことが述べられています。
天狗界、仏魔という世界があることを伝えています。⇒宮地水位「異境備忘録」より引用
天狗界
◎天狗界
この界には入らぬことが肝要。
苦しい苦行が課せられる。
これに耐えると験力が付く。
現象界における災害は天狗の仕業。
天狗界は、神武天皇即位2年(西暦紀元前658年)に作られた世界。
呪術を得て翼を生やした筑紫国(今の福岡県)出身の三人が、天之日鷲命(あめのひわしのみこと)の命令を受けて、初めて天狗界を開いた。
この3名の名前は霊界の掟によって秘密にされている。
◎天狗の種類
・鷲や鳶といった動物がなった天狗
・人間が天狗界に入ってなった天狗(「山人」という)
◎高名な天狗
崇徳天皇、後醍醐天皇、護良親王、源為朝、
源義経、平将門、柿本人麿、仙道寅吉、
仏魔
◎仏魔
西行法師、空海、一休、親鸞など多くの仏教者。
彼らは黒い気を発している。
神集岳神界(高級神界)
◎神集岳神界(高級神界)
契沖法師、賀茂真淵、本居宣長、平田篤胤らがいる。
万霊神岳界(高級神界)
◎万霊神岳界(高級神界)
日本武尊、楠本正成、和気清麿、豊臣秀吉らがいる。
日本の仏教は天狗界
このように島田幸安と宮地水位の霊界報告には「天狗界」という世界があることを伝えています。
しかも二人とも「空海」について同じことを報告しています。ショッキングなレポートなんですね。
ショックといえば、そもそも日本の仏教が天狗界(仏魔)というのはショッキング。
しかし納得もするんですね。
ええ。
慈悲・愛・ハートが無いと天狗界へ往く
仏教が天狗界(仏魔)ということから、いくつかの教訓が得られます。
それは、
・観念が強い
・教え、教理にこだわる
・経典至上主義、原理主義、教条主義
・天然自然の感性がわからない
・霊性が欠けている、無い(霊を信じない)
・陰気
・考えすぎ
・閉鎖的
・良心がわからない、欠けている
・ほどこしをしない
というのがアウトということ。
ヤバい、マズいってこと。
ええ。
つまり!慈悲、愛、ハートが無いとマズい、ヤバいってことなんですね。
慈悲、愛、ハートは、霊性でもあります。
創造性の源でもあります。
明朗、明るさ、オープンさの源でもあります。
いろんな徳の源でもあるんですね。
ハートは大切なんです。
このハートが欠けると、まさに上記にあげた不徳の状態になるわけなんですね。
ヤバ過ぎ^^;
で、こうした不徳の状態になると、
・無関心
・こだわり
・執着
・怒り
・不満
・嫉妬
・無愛想
というのも出てきます。
で、この有り様こそ「天狗界」です。
天狗界の特徴。
で、こういうのって意外と仏教徒に多いんですね。いや仏教徒に限らず、こうした状態はヤバいってことです。
霊・霊界・輪廻転生を否定するのはマズい
このように、島田幸安や宮地水位らの異境見聞録から、いろんな学びが得られます。
やってはいけないことも明瞭になります。
それと、やはり霊は存在すること。
霊界は存在する。
これはパーリ仏典に伝えられていることと完全に一致します。
ええ。
まったく同じ。
しかし日本の仏教では霊の存在や霊界を否定します。輪廻転生も否定します。
こういう姿勢がトンデモであり、死後、迷える存在にしてしまうのでしょう。
お盆の供養は原始仏教にある~迷信ではない
お盆の供養も意味がありますよ。
効果もあります。
お盆の供養とは「盂蘭盆会(うらぼんえ)」のことですね。
ちなみに、盂蘭盆会の先祖供養のルーツは、パーリ仏典「ジャーヌッソーニ経」と「餓鬼事経」にあるんですね。
実は。
で、先祖供養は、効果があることは認められているんですね。そういう伝承もあります。
迷信ではないんです。
まとめ
以上の通りですが、いやはや。
ものすごい情報だと思います。
8月の立秋を過ぎると、途端に日の光は秋の色合いになりますね。日の光は、すっかり秋です。
この時期は「お盆」。
盂蘭盆会(うらぼんえ)ですね。
先祖供養の季節です。
先祖を敬い尊ぶ、そんな時期かもしれませんね。
江戸時代の「あの世」文献には疑問なところもありますが、仏教について考えさせられる情報もあって、ここから読み取れることは貴重なものがあったりします。