イエス・キリストが生きていた頃はメシア信仰と復活信仰が広まっていた時代

イエスが生きていた頃はどういう時代だったのか?

イエス・キリストについて理解するためには、当時はどういう時代だったかを知る必要があります

で、当時はローマ帝国による圧政が続き、人々はパンを食べるにも困るほどの物価高な時代でした。このことは「ヨハネの黙示録」にも記録が残っているほどです。

ヨハネの黙示録の真実を解説~後世に追加・改竄されていた

で、道徳は廃れ、人々の希望も見いだせない悲惨な時代だったとか。陰気さは墓場のようでもあり、堕落しきっていたといいます。⇒モーゼス「霊訓」が伝えるローマ帝国時代

こうした荒んだ時代だったことと関係があると思いますが、当時は「メシア信仰(待望)」「復活信仰」が広く信じられていたといいます。

メシア信仰(待望)とは?

ユダヤ教にはメシア信仰(待望)があります。

それは、悪徳が蔓延する時代に、やがて神の使いである「人の子(メシア)」が天から降臨して、悪人を成敗して善人を救い、地上に「神の王国」を作り、苦悩や苦痛のないユートピア(理想郷)を出現させるという信仰。

で、「人の子(メシア)」は力が強く、強大な軍隊を率いて、世界を統治すると言われていたといいます。

この屈強な人物が、ユダヤ教に伝わる「メシア像」でもあるといいます。

力がみなぎり、威厳のある軍人、戦う王。これがユダヤ教が伝えるメシア像。そんな強くてたくましい王様がメシアとして登場すると信じられていたといいます。

で、イエスご自身も「メシア信仰」を信じていたんですね。新約聖書の福音書には、「人の子(メシア)がやって来る」と言っているイエスの言葉も残っていますからね。

ちなみにイエスは、「自分がメシア」だとは言っていなかったんですね。一言もいっていません。

で、イエスとは異なる「人の子(メシア)」が間もなくやってきて、地上に神の国を創建すると、イエスはいっていたんですね。自分(イエス)とは「別の人(人の子:メシア)」が雲に乗って地上に降りてくると言っています。

で、イエスの信者達もこれを信じていた。

けれども弟子達は、「人の子(メシア)」こそイエスであるとして、パウロ教(キリスト教)を作るようになっています。

復活信仰とは?

ユダヤ教には「メシア信仰」と並んで復活信仰もありました。復活信仰が最初に登場するのは紀元前2世紀半に書かれた「ダニエル書12章1-3節」です。

その時あなたの民を守っている大いなる君ミカエルが立ちあがります。また国が始まってから、その時にいたるまで、かつてなかったほどの悩みの時があるでしょう。しかし、その時あなたの民は救われます。すなわちあの書に名をしるされた者は皆救われます

また地のちりの中に眠っている者のうち、多くの者は目をさますでしょう。そのうち永遠の生命にいたる者もあり、また恥と、限りなき恥辱をうける者もあるでしょう。

上記の文言はダニエル書12章1-3節からの引用ですが、復活信仰とは、亡くなった者はいつか復活して、正邪の裁きが下されて、善人は不死の体となり、悪人は永遠に苦しむという思想であり信仰ということがわかるかと思います。

紀元前から、ローマ帝国のように悪政を強いる国家が多かったのですが、「何故、悪が栄えるのか。それはおかしいじゃないか。正しいことをしていた人はいつか復活して、その正義が認められるはずだ」という願いが、実のところ復活信仰の根底にはあります。

正しいことをしていた人が理不尽な目にあって亡くなるのはおかしい。いつか正義が行われるはず。やがて時期がくれば死者が復活するときが来る。

こうした思いが、復活信仰につながっているということですね。

で、ダニエル書12章1-3節では、「かつてないほどの苦難に遭う時代が来るが、そのときミカエル大天使が立ちあがり民は救われる。すでに亡くなった者は復活して永遠の生命(不老不死のスーパーボディ)となる。反対に不届き者は限りなき恥辱をうける。」と伝えているわけですね。

このような復活信仰(亡くなった者がよみがえって不老不死となる信仰)が、ユダヤ教には紀元前2世紀半からあったというわけですね。

ちなみに、ユダヤ教の中でもパウロが所属していたファリサイ派は、復活信仰を重視していました。

⇒パウロは「復活の教えがあるファリサイ派」の人だった

キリスト教はメシア信仰と復活信仰を合体させた宗教

このように当時広く信じられていた「メシア信仰(待望)」「復活信仰」を合体させて、パウロが作った宗教がキリスト教(パウロ教)になります(骨子になります)。

キリスト教は「イエスの死と復活がキモ」と言われてもピンと来ないことが多いと思います。が、当時のイスラエルの状況を踏まえると、なーるほどと理解できるようになると思います。

世の中を成敗する「人の子(メシア)への待望」と「悪に懲らしめられた善人は復活して欲しい」という願い。これを下地にし、イエスを本尊にして作ったパウロの新興宗教。

パウロ教(キリスト教)では、天から降臨して神の国を作るメシアは復活したイエス・キリスト。また、大天使ミカエルが死者を復活させるではなく、イエス・キリストが死者の復活を行う。

ユダヤ教にあった「メシア信仰」と「復活信仰」をこのように変更することで、キリスト教を作った。

まさにユダヤ教のアップデート宗教と言える所以なんですが、パウロがどのようにしてキリスト教を作ったのかがよくわかると思います。

キリスト教はパウロが作ったユダヤ教(ファリサイ派)のアップデート宗教だった キリスト教を簡単にいえばイエスの「死」「復活」がキモのユダヤ教 イエス・キリストの復活は後世の創作・追加・改竄?

ちなみにこのメシア信仰(待望)は、現代では「アセンデッドマスター(アセンション)」となって焼き直されていることがわかります。

ユダヤ教・キリスト教にスピルチュアルのひな形・原型を見出しますね。

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