1万時間の法則で天才になれるって本当?~天才になれなくても専門家にはなれる

1万時間の法則「天才!成功する人々の法則」

「1万時間の法則」というのがあります。これは「天才!成功する人々の法則」という著書が発端です。

著者は「マルコム・グラッドウェル」です。

「マルコム・グラッドウェル」は、ユニークな視点を持っていて、民間伝承的ノウハウを科学的に証明する切り口で啓蒙している人です。

このマルコム・グラッドウェルの「天才!成功する人々の法則」は話題になりました。

なぜなら「誰でも天才になれる」という可能性を指摘したからなんですね。

それが「1万時間の法則」です。
「天才になれる」法則です。

天才になれる1万時間の法則

「1万時間の法則」は、ネットで検索しても、結構な数が出てきます。まとめや解説サイトもあるくらいです。

まさに天才・専門家になれる10000時間の法則といった感じです。人々を魅了しています。

ですが、単に魅了しているわけではなく、天才と称される才能を発揮する人の経歴を調べた末、10,000時間の練習やトレーニングが、共通して見られたということです。

で、1万時間といいますと、

  • 1日、8時間の練習・・・3.4年間
  • 1日、4時間の練習・・・6.8年間
  • 1日、3時間の練習・・・9.1年間
  • 1日、2時間の練習・・・13.4年間
  • 1日、1時間の練習・・・27.4年間

といった期間を要します。
ふーむ、結構な期間ですね。
といいますか、長期間、継続できるか否かがとても重要ではないかと。

1万時間の法則は一流を生み出すあらゆる分野に該当

で、1万時間の法則は、一流を生み出すあらゆる分野に当てはまるとか。

バスケットボール選手、サッカー選手といったスポーツ選手。

ピアニスト、チエロの名人、作曲家といった音楽家。

または小説家、コンピュータープログラマー、チェスの名人など、

およそ技術・技芸を要する世界で一流になる人は、1万時間のトレーニングを必ず行っているという事実です。

ちなみに、「1万時間の法則」は、こうした技術・技能以外にも大犯罪者とか、悪徳の世界にも当てはまるといいます。

著者のマルコム・グラッドウェルは、これを指摘しているわけでして、過去の天才も分析して、総じて、1万時間のトレーニングや練習をしていることを述べています。

ビートルズは1200回の1万時間ライブを行った

たとえば、ビートルズを取り上げています。

ビートルズは、無名の頃、ドイツに行き、下世話な劇場の客寄せや見世物としてでもライブ演奏をやり続けたといいます。1日8時間の演奏だったといいます。

こうした無名の時代の1960年〜1964年のヒットを出すまでの間、ビートルズは1200回くらい行いライブ演奏を行い、1万時間のライブを行ったといいます。

実際、ジョンレノンは、この膨大なライブ活動が「役に立った」と述懐していたといいます。

ビル・ゲイツは5年間プログラミングし続けた

また、ビル・ゲイツも取り上げています。

ビル・ゲイツといえば、コンピューターおたくと言っていいほど、10代の頃は、プログラミングにのめり込む日々だったといいます。

ビル・ゲイツは、中学2年生(14才)から高校卒業(18才)までの5年間、ほぼ毎日8時間くらいプログラミング三昧。1万時間を裕に超えたトレーニングをしていたといいます。

モーッツアルトは20年かけて1万時間以上のトレーニング

また過去の天才として、モーッツアルト

モーッツアルトは、音楽の神童・天才といわれ、あまりにも有名ですね。しかし、モーッツアルトは、実は「遅咲き」だったといいます。

というのも、モーッツアルトは6才で作曲をはじめたものの、傑作を生み出すまでに20年かかっているからです。

モーッツアルトは、20年間の下積みの末、傑作を生み出していて、実は、1万時間以上のトレーニングをし続けて、ようやく才能が開花したケースであると。

1万時間の練習やトレーニングで専門家になれる

このように「1万時間の法則」は、様々な分野で、これが事実であることを証明しています。

確かに、1万時間トレーニングしたり練習すると、その分野で天才とか世界的第一人者とかでなくても、専門家にはなれると思います。

この「1万時間の法則」は実体験からも「真実」と言えるかと思います。

あと「1万時間の法則」は、学校教育にも該当しそうです。
6・3・3の12年間、あるいは、6・3・3・4の16年間、祐に1万時間を超えた時間、しっかしと軍隊式の教育をさせて、命令に従う柔順な人間を作り出すことに成功しています。

1000時間の法則~学んで習得するのに必要な時間

あと、「1万時間の法則」と関連して「1000時間の法則」もあることが昔からいわれていますね。

これは天才的な才能ではなく、何か学習をして習得する時間のことですね。英会話の世界でも時々聞きます。

アルクの1000時間、ヒアリングマラソンなんか、ものすごく有名ですよね。

学習全般では、「1000時間の法則」はよく言われます。資格試験でもそうです。最低1000時間の学習が必要であると。

これも体験的に「その通り」であると思います。

ちなみに1000時間といいますと、

  • 1日、8時間の練習・・・125日(約4ケ月)
  • 1日、4時間の練習・・・250日(8ケ月少し)
  • 1日、3時間の練習・・・333日(約1年)
  • 1日、2時間の練習・・・500日(約1年5ケ月)
  • 1日、1時間の練習・・・1000日(約2年9ケ月)

といった期間になりますね。

「才能」もさることながら「努力する時間」が重要

マルコム・グラッドウェルの「天才!成功する人々の法則」では、「才能」もさることながら、「努力の時間」が重要であることを指摘しています。

また、努力できる環境や条件に恵まれることを「好機」といって、好機に恵まれる人こそ、才能を開花できるといったことも指摘しています。

これなどは「運が良い」といった言い方をされることがあります。

結局、才能が開花して、世間や社会に認められるのは、好機に恵まれる「運が良い」という条件が、もっとも必要であるということなのでしょう。

こうした好機に恵まれることを、東洋思想の世界では「徳」といっていますが、まさに「徳の有無が重要」ということになるのでしょう。

そして「徳の大小」は「施与の大小」にもなってきます。

人間には前世があり、前世において、与える行為を多く成した者は、現世において、大きな幸運が与えられるとしています。

マルコム・グラッドウェルの「天才!成功する人々の法則」では、こうした東洋的な思想については言及していませんし、また前世とか、そういったことも述べていません。

しかし、社会的に認められる、評価されるというのは、才能資質に加えて、「施与の功徳の結果」というのが実は大きな条件になっています。

適切な練習・トレーニングをしないと効果が得られない法則

このようにしてみると、マルコム・グラッドウェルの見解は、東洋的な見方の変化球ともいえます。

東洋思想でいわれる「徳の概念」は、真実であって、深みのある思想であると思います。

あと、【「1万時間の法則」が実現する法則】もあると思います。

適切なトレーニングをしないと、かえって効果が得られない法則もあったりします。特に気功などの世界では顕著でしょう。

頑張り過ぎると、かえってマイナスになり、最悪、心身に異常を来してしまうことがあります。

「易筋経」という、虚弱体質を強健にする気功的な体操があります。

易筋経は、1日1時間以内のトレーニングであっても、10年行うと、気、筋肉、血液、肉質、骨、髪の毛、体型など身体がすっかり良くなってしまうといいます。

1万時間の法則とは、違う法則が作用していそうです。

あと気功などに限らず、技芸においても、トレーニングをする際、楽しく、快適に行っていくのが、これまた秘訣なのかもしれません。

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